遠くの町の仲間たち…阪南スカイタウン

こちらは大阪府のディープサウス、阪南市の丘の上に展開するニュータウン
大阪府企業局が手がけたニュータウンという意味では、千里ニュータウンの直系の弟分にあたります。1996年入居開始ということは、30年以上の時差がありますが…。
なぜ「スカイタウン」?…この町は、関西空港(1994年開港)の人工島を埋め立てるために土を取った跡に造成されているからです。写真上方中央に立っているペンシルのような影がりんくうゲートタワービル。その左、海上に水平に突き出している影が関西空港に渡るスカイゲートブリッジです。いわば関空関連事業の一環として、このニュータウンは造られたのです。現在あるのは、すべて戸建です。
計画人口9000人と、もともと大きなニュータウン計画ではありませんが、この写真で見てもわかるように、まだ空き地が目立ちます。小学校中学校が一校ずつ。公立とは思えない凝った外観で、小学校では千里で試行された高低分離校舎になっているし、住宅街の中の街路は通過交通を防ぐクルドサック(袋小路)がかなり徹底して採用されているなど、たしかに「千里でやりたかったことを30年後にやってみた」部分がうかがえます。
関西空港に関しては、たんに国土の交通政策だけではなく、大阪南部の経済を浮揚させて南北のバランスを取るという「大阪の事情」が込められているわけですが…開港15年、道はなかなか険しいようです。スカイタウンもその名のように、はばたけるのでしょうか。

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