上海万博会場とニュータウン!(2)

うう~ん、城塞っぽい…手前が万博のゲート、向こうが(たぶん万博と同時期に開発された高級な)高層住宅群…。前回のとは違う場所で、万博会場はどの方向の外側を向いても、こういう高層住宅群が見えるのです。テーマが「より良い都市、より良い生活」だけに、「より良い都市」を見せようと意識してやってるのかしら?
あやしげな空模様もとっつきにくさを増しているのですが、このスタイリッシュと言っていい高層「団地」が、日本と違って見える理由を考えてみました。
●ベランダ部分が小さい。…これはたぶん消防法が違うためでしょうが、日本のように「囲むような」ベランダがありません。この結果、壁面や窓が直接むき出しになって、建物の印象が華やかとも、いかつくともなる。このためにエアコンの室外機がベランダに置けず、外壁の外側にアクロバティックに付けられていて、どうやってメンテナンスするのだろうかと…?
●棟間距離が狭く、細身で高密度。…明らかに人口をより多く詰める設計になっているのですが、一方で細身の「タワー密集型」になっていて日本のようにどっしりした大きな建物になっていないのは、地震がないことになっているためでしょうか…。
●屋上がフラットでない。…スカイラインをぎざぎざにして、新しいビルでも「塔屋」のような印象にしたがる。
これはこの「団地」だけでなく、上海のどこでも共通で見られる特徴でした。万博とニュータウンがセットで見えるところは千里丘陵と近しいものを感じますが(手前の白い三角テントなんか大阪万博のイメージそのままです)、法規制、非常時への考え方、地震の有無、文化的な要素などによって、「2010年上海バージョン」になっているということでしょうか。

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