大潟村もニュータウン(秋田)

ここは秋田県大潟村。あの、日本で2番目に大きかった湖の八郎潟を干拓した…。日本で最後に、合併にも分割にもよらず新設された自治体。でか~い!中央干拓地で東西10km、南北15km…阪急宝塚線、今津線、神戸線に囲まれた地域の倍ぐらい…。走っても走っても走っても走ってもまっすぐな道と並木が続きます。15,000haって、千里の13倍ぐらい…。山手線に囲まれた部分が3つ入るそうです。

ここを「ニュータウンの仲間」と思う人は少ないと思いますが、これだけ広い土地を新設するにあたって都市機能をどう配置するか?調べてみると都市計画学会に知恵を借りていて、居住区は5つの「住区」で構成され、通過交通を排除するために千里と同じラドバーン方式が採用され(たしかにいったん入りこむとなかなか抜けられません)、入植者は公募していて各地からの寄せ集めで、特定の世代に限られ、規格型住宅が供給され、ニュータウン的な特徴が予想していたよりも濃厚に見られます。しかも入居時期はほぼ千里と重なっています。

こんなに広くて人口3,000人しかないのですが(大半は農地)、開発以降ほぼ人口が一定してるのはなぜでしょう?農地以上の人は住めないし、空きが出るのもまずいわけだし。集団入植は70年代に終わっているので、あとは補充のはずですが。

博物館で聞いたら、二代目三代目がけっこう継ぐそうです。そこは住宅ニュータウンと違いますね。土地は村外の人には売らないそうですが、後継者がいない場合は農業委員会が仲介して村の中で買う人がいるとのこと。そうやってより大規模化していくそうです。5分ぐらいですらすら答えてくれた学芸員さんすごい!

大潟村で跡継ぐ率が高いのは、農業の大型化というコンセプトが国際競争の流れに合ったからでしょう。よそ者に売らないというのはすごい話だと思いました。かつての入植時には合宿制の特訓もしたそうです。それだけに団結も強いのでしょう。

この投稿は2015年7月2日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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