メタボリズムの極致(アスタナ・都市計画模型)

ばーん!独立宮殿の3階には歴史博物館があり、新首都アスタナの都市計画(人口200万人)が全部できたらこうなります…という巨大ジオラマがあるのでした。

観客は、僕一人。しかも説明員が専属でついて、照明のスイッチ入れたり説明してくれたりします(さすがにこのお姉さんは英語ができました…)。

はてしない囲み型の街路。この基本設計をやったのは黒川紀章氏で、氏の名前はアスタナでは一般人にもかなり有名なようでしたが、「新首都を設計したのは日本人」ということで、一観光客の私にも「日本人である」ということで好意度の恩恵はプラスされているのでしょうね。

黒川紀章氏と万博と言えば、千里の万博公園に立地する国立民族学博物館(みんぱく)は 黒川紀章氏 の設計で、この、グリッドが連なってどこまでも増殖できる構造は、みんぱくを上から見た写真とそっくりです。都市は拡大するもので、博物館も収蔵物が増えていくという「拡大の運命」を背負っていますが、ニーズに合わせて増殖ができて、増殖のどの段階でもバランスが取れる、というのがメタボリズムの考え方です。

アスタナ、今は人口90万まで来ていますが、実際に200万人まで増えるのでしょうか?旺盛な建設が進んでいますが、それはバブルではないのでしょうか?…なんだか、僕は実際にそうなってしまいそうな気がします。というのは、エネルギー資源において盤石のバックボーンがあるからです。

お姉さんの説明では、やがて空港から新市街を通って旧市街まで、地下鉄を通す計画もあるそうです。人口200万人だったら、地下鉄はあっていいでしょうね。

新しい町を造るときは、千里でもつくばでも上海でも、こういったジオラマは「全部できたらこうなる!」をわかりやすく示すためによく作られるようです。まあしかし、はてしないロマンというか、建物に強烈な特徴をつけないと迷ってしまう…ということは、おわかりいただけましたでしょうか?

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