2からのつづき

…と整理しながら書いても現地を知らない人にはわかりにく過ぎると思うんですが、僕が思うことは、
・競合施設が増えて、ネットでも物が買える時代に「より大きな商業施設を作る」ことでの駅前活性化は、無理。
・しかし千里ニュータウンでこれからもずっと始発駅なのは北千里駅だけ。これは不変の優位性がある。
・人口が増えても減っても「駅前」には(少なくとも千里では)不変の価値がある。
・そのポテンシャルを生かすには、公共施設をできるだけ駅前に寄せてくること(立地のコンパクト化)が一番得策。
(とくに図書館とホールは「人のにぎわいの核を作る」大きな可能性がある。)
・道一本でも駅から離れた北小跡に公共施設を離すことは、自殺行為。
(3階分ぐらいの高低差があり、道路横断の危険性もある。)
(駅前から歩道橋を架ける案も出ているが、駅そのものに密着させたほうが、よほど合理的。)
(コミセンは総務省系、公民館は文科省系で管轄が違うが、バラバラに立地させる意味がわからない…。)
・高齢者施設と学童施設については、センターの中がいいか、北小跡がいいかは、議論の余地がある。
・ハードは一度造ったら数十年は使うもの。ハードの配置を間違えると、その後いくらソフト面で頑張っても、禍根を残す。
・「駅前再開発が進まない」ことがすべての前提になっているが、それを進めるのが政治だし、民間事業者もいつまでも「始発駅の駅前」を放っておかないだろう…集合住宅の大規模更新は進んできているし。千里で、大阪府が「引いた後」をやりたい企業がないとは思えない。
・いずれにしても、住民意見が割れているのに「ここで進めてしまう」のは、とてもおかしい。

日本最初の大規模計画都市として受け継がれてきたことこそ「千里ニュータウンのレガシー」のはずなのに、拙速さと「良くない政治のにおい」が漂う今の議論で町を変えてしまうことは、ニュータウンの名が泣く。とてもいいと思えません。吹田市には地元の声をよく聞いていただき、長期的都市計画の視点に立って、総合的なプロデュース力を発揮していただきたいです。

この投稿は2018年9月25日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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  1. 2019年 8月 15日

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