団地移転の風景-15.丘の上のNS2ペア半

藤白台の公社住宅(正式な名前は「千里丘陵G団地」)、前回からもう少し首を右(東)に回して、丘の上の部分を見てみましょう。ここに写っているのは(左から)A10棟からA15棟まで。団地の向こうは四丁目の戸建住宅街、その向こうは大阪大学吹田キャンパスです。
この部分は並行配置になっていて(ちょっと南南東に振っています)、典型的な「NSペア」になっています。NSペアというのは住棟の入口が、左の列から、南入り・北入り・南入り・北入り…と、一列おきにペアを組ませて、入口が向き合った棟どうしの住民が仲良くなれるように…という住棟配置の工夫です。昔は入口がないほうの棟の間は緑地だったのですが、その後駐車場になってしまいました。その駐車場も、今は皆出ていって一台も停まっていません…。
団地の手前は「ふれあいの道」の斜面ですが、左下には「なかよし遊園」と名づけられた遊具のある一角が見えています。ここは斜面の間のヘタ地のような場所で、最初はただの荒地でしたが、1976年に斜面を整備した時にバレーボールコートが造られ、その後駐車場になり、その後A9棟・A10棟の間の集会所の前の空間と用途をひっくり返して遊具を下におろし、駐車場を住棟の近くに持ってきたのです。
右手前に左右に見えている白い道が、「ふれあいの道」。右へ行くと藤白台小学校。この夏に補修をしてコンクリが白くきれいになりました。そしてA12棟の手前には…藤白台のマドンナ!「しろすべ」(ゾウのすべり台)です!昔はこの森がなかったので、駅方面の斜面の下からも、このすべり台はよく見えたのです。
ここに写っているうち、A14棟までは建替のための退去が済んでいます。A15-A18棟までは、第3期の建替工事ができるまで、あと数年、最後のおつとめ…。
季節はめぐり、歳月はめぐり、人もめぐっていきました。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (2)

    • ちえのわ
    • 2011年 12月 19日

    こんばんは。
    以前から千里ニュータウンのことを知るために参考にさせて頂いていましたが、最近団地ブログをはじめるようになってさらにいろいろ参考にさせて頂いています。
    藤白台の記事も先日書いて、団地名が思いっきり間違えていたことにこの記事を読んで気が付きました。
    ありがとうございます。
    GoogleMapで記載の通りについ書いてしまったのですが、鵜呑みにすると怖いですねー。
    昨年のツアーで頂いたマップがとても役に立っていて、助かっています。
    これからも更新楽しみにしています!

    • 奥居武
    • 2011年 12月 19日

    ちえのわさん、こんばんは。 ちえのわさんのブログは、こちらですね。 http://danchiaruki.blog.fc2.com/ 千里ニュータウンのことを書いてくださって、ありがとうございます。違う目で、違うカメラで見ると自分の町でも新鮮ですね。GoogleMapの団地名、間違ってるでしょう。mapionも間違ってるんですよね。どうして同じ間違いを2社がするのか…?(同じ元ネタがあるのか?)いまこの2つは皆が一番見る地図だと思うのですが…。しかし「千里丘陵G団地」という名前は地元の人間もそうは呼んでいなくて、じゃあどう呼んでるかというと「Aの団地」と言うことが一番多いと思います。建替後はAの記号はなくなってしまうのですね。個性のある撮り方をなさってると思うので、ブログこつこつとがんばってください。ブルーの強い色調で見ると、ニュータウンが新しかったころを思い出します。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る