日本のニュータウン半世紀

あけましておめでとうございます。
2012年、千里ニュータウンにとって記念すべき年が明けました。なぜなら今年は…1962年にはじめての住民が千里ニュータウン(佐竹台)に入居してから、ちょうど50年になるからです!千里ニュータウンは日本で最初の大規模ニュータウンですから、つまり今年は日本のニュータウン半世紀!つまり(たぶん)アジアのニュータウン半世紀ということになります。
このブログでもお伝えしているように、千里ニュータウンでは今、更新のための団地建替があっちでもこっちでも進んでいます。藤白台でも工事が本格的になってきました。この町で育った僕が願うことは、この変化を後ろ向きにとらえず、町の記憶もしっかりと引き取って、もう一段新しくなる「ニュー」タウンを良いかたちでうけとめたい、ということです。
なぜならここは「ニュー」タウンだからです。建物が一代入れ替わったぐらいで、もうニュータウンでなくなるわけではありません。町はそんなにヤワなものではありません。
昔から住んでいる人も、新しくやってくる人も、固まらずに交流しあって、いろんな世代の人がいる町へ…それでやっと、少しは「一人前」の町に近づいていくのではないでしょうか。建物が古くなったぐらいで「もうニュータウンでなくなった」などと言うのは、早とちりもいいところです。
そしてこの千里の変化は…よく報道されるように人口の変化や少子化、高齢化、建物・設備の老朽化から「再生」への過程も含めて…それは日本中のニュータウンや団地、郊外都市が見守っているということです。千里は、誇りも悩みも、成功も失敗も、どこまでいっても先頭なのです。
さらにこのようなニュータウンは、かつての日本の高度成長を追うように発展しているアジアの各都市へも広がっています。産業革命期のイギリスから始まりヨーロッパ各国やアメリカに広がって日本に入ってきた「ニュータウン」は、21世紀はアジアの都市へ広がりつつある。千里は、その欧米とアジアの結節点に位置する現代住文明の記念碑的な町なのです。
…って、やけにうたいあげてしまった…まあ正月ですからご容赦ください。でもわりと本気ですけど。秋の50周年に間に合うように、ニュータウンの本も出せるよう準備を進めているのですが…去年夏から始めたわりになかなか進まないゾー…(汗)
まあ、これは本職でもない個人が、ただ、48年間ニュータウンの変化を見てきたということだけを頼りにやっておりますので、温かく見守っていてください。コメント、質問、大歓迎。今年もよろしくお願いいたします。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (2)

    • みけねこ
    • 2012年 1月 02日

    あけましておめでとうございます。いつもたのしく読ませていただきありがとうございます。本が出るのを楽しみにしております。両親にもみせたいです~。両親は千里に住んでいたころが一番よかった、と言っていますので。

    • 奥居武
    • 2012年 1月 02日

    みけねこさんありがとうございます。千里はいま供給過剰なんじゃないか?と思うぐらい団地建替ラッシュで、賃貸/分譲、大衆版から高級版までかなり選択肢が広がってきました。新しい人にも来てほしいし、やっぱり、千里の良さをわかってる昔の住民の方が戻ってきてくれたらなあと、そんな呼び水に少しでもなればと思ってブログ書いてます。千里の人はざっくばらんで前向きですよね。太陽の塔見ながら暮らしてるからかなあ。緑が多いからかなあ。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る