
今回の万博で特徴的なのは、シグネチャーパビリオンと呼ばれる8つの館。いわば展示の中心である「テーマ館」を8人の表現者の解釈で「分解」し、個人の名前(シグネチャー)がついた8つの個性が強いパビリオンに展開しているエリアです。会場の真ん中にあり、これが「いのち輝く未来社会のデザイン」を解釈したテーマ館なんですが、「多様でありながら、ひとつ」という会場設計を反映した構成になっています。
テストランの日、予約してまず行ったのは落合館。「null2」(ヌルヌルと読ませる)という名前からも得体が知れないです。あらかじめメールが来てアプリのインストールを勧められ、入口では靴を脱いで入って空間の光や音に包まれながら「デジタル化された自分自身」と向き合う…という凝り方。びっくりしたのは初日の午前中だったので落合陽一さん本人が目の前におられたことで、やや徹夜明けっぽい雰囲気を漂わせていました…。個人の名前を出して万博の展示するって、振り切った企画です。

しかしアプリの設定が不十分だったためか、僕はよくわかりませんでした!もっとちゃんと仕込んでおかないといけなかったようです。テストランだったからスタッフの説明もスムーズではありませんでした。見ているうちに終わってしまいました。
でも未来は、わかりやすくなくていいんです。わかる程度の未来なら、たいしたことはない。ただ感じれば…と言いながらやっぱり悔しいので、閉会までにもう一度入れればと願っています。シグネチャーパビリオンはこのように「深く考えさせる」体験型の企画が多いので、一度に入れる人数が少なく、それでなかなか予約が取れないのですが…
万博の歴史は、実用的な産業製品の見本市といった側面もありつつ、一方ではこのように「いのち」というテーマについて深く考えさせる哲学的な展示もある。すぐにわからなくてもいいんです。まず感じることができれば…(ちょっと負け惜しみ…)下の写真は、上が宮田裕章さんプロデュースの「Better Co-Being」、下が石黒浩さんプロデュースの「いのちの未来」。このロボットは、70年万博でお祭り広場にいた巨大なロボット「デメ」へのオマージュになっているようです。


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