小野原街道

年末は渋めで…
藤白台の東側、北消防署から阪大の前→金蘭と上山田の間を通って小野原に抜ける道を小野原街道と言います。
「と言います」って、そんな名前知らん!という人も多いでしょうけれど、この道は千里ニュータウンができるずっと前からある旧街道の一つなんです。この道に沿ってニュータウンの輪郭の一部…藤白台の輪郭が決められ、その東側が万博会場と阪大キャンパスになった…という由緒のある道です(藤白台のカタチに沿ってこの道をつけたんじゃありませんぞ)。北消防署から南はあいほうぷ吹田とガソリンスタンドの間を抜け、ピーコック、コーナン、ヤマト運輸の西側を通って中環をくぐり山田三ツ辻から山田市場まで続いています。「三ツ辻」という地名(バス停ぐらいにしか残っていませんが…)は、山田市場方面、小野原方面、上新田方面に道が三つに分岐していたから「三ツ辻」って言うんですよね。今じゃ道が増えすぎてどの三本だかわかりにくくなってますが…。
ニュータウンができた頃はまだ、どの区間もヤマト運輸の横の区間ぐらい狭くてクルマのすれ違いも難しいような道でしたが、徐々に拡幅されて今ではほんの一部に昔の面影を残すばかり…。
国土地理院のサイトでは、終戦直後の藤白台一帯(まだ「山田上」だった…)の航空写真が見られます。あんまり今と違いすぎていて、どこがどこだかわかりにくいでしょうけれど、水遠池(ずいおんいけ)と蓮間池(はすまいけ)と、この小野原街道のカーブだけが、今と変わりません(コーナン南側のクランク曲線も昔からあったんですねー)。
吹田市が公募して決めてしまった「なかよし道」とか「古江路」の名前はほとんど住民に定着していると思えないのですが…こういう「小野原街道」なんていう昔からある道の標識を立てたらいいのに…と思います。
この写真の右側、竹林の向こうは万博のテニスコートですが、鬱蒼とした竹林は千里ニュータウンに来た1964年頃を思い出すなあ。万博もまだできてなかった頃、藤白台から見ると、この道の向こうの竹林はゲゲゲの鬼太郎が住んでる別世界のような感じがしたものでした。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (4)

    • akakage
    • 2006年 12月 30日

    飛騨地方は陸の孤島のようなところでした(です?)ので、街道が他地域との交流の命綱でした。歴史や文化を研究されておられる方々は、街道にも詳しいです。どこでもそうだと思いますが、オリジナルな文化というものは少なく、さまざまな文化の交流によって地域の文化がつくられてきたことがよく分かります。千里の地理には疎い私ですが、歴史的意味のある街道の名はそのまま残しておきたいですね。
    ところで、奥居武様、藤白台ブログを飛騨・健康ブログにリンク貼らせていただいてもよろしいでしょうか?

    • 奥居武
    • 2006年 12月 31日

    akakageさん、リンクのお申し出光栄です。「飛騨の郷土な健康を考える会」ですね?当方にもそちらのリンクを貼らせていただきたいのですが、(民間)なのか(公的)なのか、どっちにしておきましょうか?
    ちなみに大阪近郊の「街道」ですが、市街地では現代の道に埋もれてしまって、どこが街道なんだか意識されていない道が多いと思います。地図をよ~く見たらずっと続いてる一本道だとわかるのですが…。

    • pigmon
    • 2007年 1月 02日

    この小野原街道をぬけると、由緒ある「西国街道」にぶつかります。国道171号線と並行しているようですが、私は地理・歴史に疎いので、どこからどこまでがそうなのかよくわかりません。車で小野原あたりから西へ走ってみたのですが・・・途中でわかんなくなってしまいました。奥居武nさん、ご存じでしたら、解説をお願いできませんか?

    • 奥居武
    • 2007年 1月 03日

    pigmonさん、Wikipediaによれば「西国街道」は京都東寺から(ほぼ現在の171に沿って)西宮を通り、なんと下関まで!「小野原南」の交差点名がついてる小さな十字路が、小野原街道との交点です。(関西スーパー前の「小野原南」バス停とは違う場所なので要注意!関西スーパーと171のちょうど中間ぐらい。サークルKの少し南です。)最近は若い人たちから171を「イナイチ」と呼ぶ名前が定着していますね。「イナイチ」と呼ぶか「国道171号」と呼ぶか、旧道も新道も一緒に「西国街道」と呼ぶか…でトシがバレるかも?小野原レポートはまた追ってやりましょう。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る