「土曜日」の消滅
- 2011/1/29
- ニュータウン内, 千里ニュータウン
- 交通
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千里ニュータウン住民の足である阪急バス「千里ニュータウン線」のダイヤが1月28日から変わりました。このダイヤはだいたい(不定期ですが)5年に一度ぐらいマイナーチェンジがあり、今回の改正は2005年12月以来。そう大きく目立った変更はないようですが、実は今回の改正には歴史的な転換がありました。
「土曜日」のダイヤがなくなったのです。
もともとこの路線のダイヤは「平日」「日曜・祝日」の2本立てだったのですが、会社から週休2日制が普及していつのころからか「平日」「土曜」「日曜・祝日」の3本立てになっていました。まだ「土曜」ダイヤが独立していたのは、週休2日制は100%そうなったわけではないし、学校は土曜日があったからでしょう。昔(40年前ごろ)だって土曜日は「半ドン」が主流で(この言葉の意味、若い人わかるかなー?)、平日ダイヤを土曜日に適用していたら夕方ラッシュはかなりゆとりがあったはずなのですが、そこは鷹揚に走らせていたことになります。
この1月28日からついに千里ニュータウン線では土曜もまったく日曜・祝日と同じ本数になったのは、学校も週休2日が定着し、お客さんの移動実態がそうなったということで、土曜の朝ラッシュは消滅したと判断されたのではないでしょうか。
ちなみに電車…阪急千里線や北大阪急行も、ひとあしはやく「平日」と「土曜・休日」の2本立てダイヤになっています。
全国的に路線バスのお客さんは減っているようです。マイカーの普及や高齢化が進んで通勤通学客が減っているためです。千里ニュータウン内の路線バスも、そういえば昔みたいに混んでいないなあ…運行回数を保つためか、新型車両も昔より小ぶりになっています。(ほとんどノンステップやワンステップになって乗りやすくなったけど。)藤白台・古江台を交互に循環する76・77系統も、以前は両回りあわせてデータイムで1時間に5本(平均12分に1本)あったのが、今は1時間に4本(平均15分に1本)…。平日の朝ラッシュ時も昔はもっと時刻表が横に膨らんでいたと思うのですが、わりと「ずん胴」に近づいていて、「いつ行ってもつぎつぎ来る」という本数ではありません。
郊外の町…とくに坂が多い丘の上のニュータウンでは、路線バスは生命線と言ってもいい重要な存在です。高齢化が進んでバスもなくなってしまうと、日常の足がなくなり、「買い物難民」が出るなど暮らしにくくなって住民が出て行ってしまう…というデフレスパイラルに入ってしまうからです。大げさじゃなくて「バスが走っている所が町である」と言ってもいいぐらいです。
千里界隈ではまだ阪急バスの路線は充実していますが、早朝のバスがなくなったり、じわじわ「合理化」されている様子なのは気になります…。お客さんがいればバスは走ります。バスに乗りましょう!
コメント
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コメント (4)
びっくりしました。土曜日はバスが走らなくなったのかと思った{%困るwebry%}
そうそう、昔は(私が就職した当時も半ドン)でしたよね。それはそれで幸せでした。
そうじゃないです。日曜日と同じダイヤになったということ。お騒がせしてすみません。半ドンの解放感のほうがまるごと休みよりあったような気がしますが人間の感覚は不思議ですね。
すいすいバスは藤白台には走っていないのですか?「交通と人口」の問題は考えさせられることが多い。かつてのベッドタウンの活気の蘇りを望むのか、もっとゆったりした居住域を望むのか、それは老人の町なのか。車はバスか、マイクロか、福祉車か、自家用車か(助け合いも含め)、タクシーか?スペースだけやたらにあるオーストラリアの友人宅で考え込んだことがあります。
いまあちこちでやっている「コミュニティ・バス」というやつですね。すいすいバスは千里丘界隈だけでニュータウンの中は走っていません。すぐ隣の小野原は箕面市のコミュニティ・バスである「オレンジゆずるバス」が走っていますが…。千里ニュータウンは非常に立地がいいので、全体としては「活気をよみがえらせないとモッタイナイ」という方向に進んでいると思います。ただし同じニュータウンの中でも、千里中央徒歩圏と、バス停からも遠いような場所では利便性に関してかなりの「ニュータウン内格差」ができてしまっていると思えます。土地が広いオーストラリアの…アボリジニでも白人でもいいのですが…高齢者は、やはり生活はクルマ(マイカー)依存になっているのでしょうか?