10年後、どんな町に?(箕面森町)

9回連続でお届けしてきた箕面森町レポートも、そろそろおしまいにしましょう。分譲地の一角にあった展望モニュメントから、六甲山に沈む夕日を見たアングルです。
人口減少の時代に入り、ニュータウンをはじめとする「郊外への拡大」は、懐疑的な論調で語られることが多くなっています。箕面森町も今は少し驚くような立地ですが、トンネルで箕面市の中心部とは15分で結ばれ、やがて新名神高速道路の箕面ICが造られることも決まっていますから、ただ無造作に造られる町では決してありません。
まだ一世帯しか暮らしていない現状(正月時点)でも、開発に大阪府の「意志」を感じる部分はあり、その意味では千里ニュータウン-泉北ニュータウン-彩都に連なる「直系の後輩」とも言えるでしょう。藤白台とは直線で9キロぐらいしか離れていません。
ただ本当に、「未来」は「未だ来ぬ」から未来なのであって、ニュータウン育ちの僕にもわからないのです。箕面森町が10年後、どんな町になっていくのか…?都心通勤だけでない、町のコンセプトがここから生まれてくるのかもしれません。
あちこちのニュータウンを歩いていると、そもそも人が人の生活や人生を計画などできるのか?という哲学的な問いに入り込んでしまいます。都市は人類の英知であって、野放図であっていいわけはないのですが、いくら精密に「計画」してもそこからこぼれる部分は必ず出てきてしまう…しかしその「計算違い」もまた人間的だと思える部分がニュータウンの魅力ではなかろうかと、ニュータウン育ちの僕は思います。
冬の夕方に行ったため、箕面森町のレポートはやや写真が暗くなってしまいました。今度は緑がこぼれる初夏あたりにでも行ってみたいものです。その頃には住民の新しいくらしも始まっていることでしょう。

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