目玉は小中一貫校(箕面森町)

町の入口で、今年4月の開校をめざしてつくっている学校の建物がありました。
これが箕面森町のひとつの目玉、大阪府では初めての公立小中一貫校とどろみの森学園です。※これは愛称で、正式名称は「止々呂美小学校」と「止々呂美中学校」。既存集落の中にあった古くからの小中学校を移転改組して再オープンするということのようです。僕が行った正月にはまだ愛称が決まっていなくて「(仮称)水と緑の健康都市小中一貫校整備工事」という掲示板が出ていました。
ただ小中学校を併設するというのではなく、小学校から中学校への教育の「段差」を解消することで、「いじめ」問題などが起きにくい環境をつくる…という実験をここでやろうとしているようです。私立ではなく公立校でこのような試みをやるのがなかなか難しいことは、この学校が大阪府で「初めての」一貫校である…ということからも察しがつきます。新しい町をパイロットケースにして、そこから現状を突破していこう…という考え方は、「ニュータウン」が広く社会に持つ存在意義のひとつでしょう。箕面森町はその立地や環境への懸念から批判されることが多いですが、「新しい町で新しいことをやってみよう」という精神は、僕は期待したいと思います。(話は飛びますが、世界初の自動改札機が北千里駅に置かれたことも、「新しい町で新しいことをやってみる」の一例ですね。)
またこの学校は、ニュータウンだけで校区を構成するのではなく、既存の止々呂美集落の既存校をニュータウンとの接点に持ってくる…という意味でも、もうひとつの実験精神があるように思われます。公立の小中学校はたんに学校であるだけでなく、コミュニティの核でもあるからです。
かつて千里ニュータウンでも、幼稚園と小学校低学年校舎を併設し、高学年校舎とは分校方式にすることで、現行の6・3・3学制の枠の中で4・4・3・3の早期教育をやろうとしたことがありました。結局構想だけに終わりましたが、藤白台小学校でも低学年用校舎が高学年用と敷地内で分かれていたのは、この構想のなごりです。
4月からはいよいよ、この「とどろみの森学園」が始まります。かつて藤白台小学校もそうであったように…。そこではどんな、子供と…大人の時間が描かれていくのでしょうか?

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