牧場のような中学校(北海道・北広島団地)

千里ニュータウンと同じく年季の入ったニュータウンに共通の課題が見える北広島団地ですが…「これはウラヤマシイ!」と思ったことの一つが、学校敷地の開放性
除雪のために塀や柵は立てないか、あったとしてもきわめて低く造る…のは北海道の町並みの特徴ですが、この中学校の敷地でも…右手前が道路に続くグリーンベルト。牧場の柵のような「一応の仕切り」の左奥が学校の敷地。これだけなんですよ、仕切ってるものが…。
内地の学校では(特に2001年の乱入殺傷事件以降)、厳重なばかりに柵を巡らせて校門も常時閉めてしまう…という方向になってしまっていますが、北海道の学校のこの開放性を見てしまうと、じゃあ必死になってやってるあれは何なのか…?と、深く考えてしまいます。北海道はのどかで犯罪発生率が低いから?…いやいや、北海道の経済だってきついでしょう…(と思って少し調べてみたら、たしかに北海道の犯罪発生率は全国平均より低い…というか、大阪府が高い!)
でも校内暴力が吹き荒れた頃は、学校の中で起きていることが見えないと危ないから…ということで、視線を遮る塀などは造らない風潮もあったのです。
だから塀を高くすれば安全…という単純なものでもなく、要は考え方の問題なのでは…?と思うんですよね。なにより、高い塀に囲まれて育った子供が、たえず防衛的な心性を身につけて育ってしまうことはいいことなのだろうか…?僕はこんな広々とした敷地で勉強ができる北海道の生徒は、とても大切なことを環境から学んでいるように思えます。人間ごときが大地をコセコセ仕切ってどうする!?

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る