古江台府営住宅B棟の建替現場。うしろが新棟、手前が旧棟。さすが親子と言うべきか、まったく同じベージュ色。とけこんでしまいそうです。
藤白台の公社住宅の場合もそうですが、建替団地の外部色は、住んでいる人が同じ色を選ぶのか、周囲に対して景観の印象が変わることを慮ってそうさせるのか、だいたい既存の建物と似たような色に落ち着くようです。(府営住宅の場合は聞いていませんが、公社住宅の場合は藤白台でも佐竹台でも自治会などを通じて住民が色を選ぶチャンスがあったようです。)とくに建物が大きくなることを考えると、思いきった色は選びにくい…という事情もあるでしょう。
でも集合住宅の色って、べつにベージュ色に決まってるわけじゃありません。流行もあります。60年代は白っぽい色も使われたし、70年代にはアクセントに鮮やかな色を組み合わせることもはやったようだし、80年代にはレンガ系の濃い色がはやったこともあるし、90年代からはグレー系が多くなりました。千里ニュータウンの府営住宅も、当初は(ベージュを基調としつつ)パステル系でいろいろな色に塗りわけられていた区画があったし、日本には積極的にカラフルなカラーリングを取り入れた町もあります。いろいろな色を使うことが景観を壊すという考え方は、固すぎるものの考え方だと思います。要はセンスの問題です。
千里ニュータウンも「まったく新しい町」ではなくなり、大勢の関係者から反対が出ない「最大公約数」的な色が選ばれやすいのだと思いますが、何でも新しいことの実験場だったことがニュータウンの大きな魅力だったことを考えると、「無難にまとめる」だけでない工夫も何かほしいなあと思うのは僕だけでしょうか?

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