ひとつひとつの灯は小さくても(千里キャンドルロード)

千里ニュータウンではただいま「まちびらき50年」の記念イベントが行われていますが、その中盤を盛り上げる「千里キャンドルロード」が、11月10日(土)晩、千里南公園で行われました。僕も広報のお手伝いをしました。
なんと、千里ニュータウンの人口と同じ9万本のキャンドルで千里南公園を埋めつくそう…というとんでもないアイデア!9万本って…(@_@;) 「300人が300個づつつけたら9万個になる」って計算だったんですが、わりとぎりぎりまでその「300人」が確約できず、どうなることやら!?…とハラハラしつつ直前広報にいそしんだ結果?当日受付には来るわ来るわ…最終的には500名ぐらいのボランティアの方が灯をつけてくださいました!
もう、千里南公園始まって以来の美しさでした!この町で育ったことを誇りに思えるイベントでした!とっても「千里ニュータウンらしい」と思いました。最初は「人口と同じ」というアイデアはなくて、「竹あかりをやりたい」というあたりから始まって、そこに誰かが「人口と同じ」というアイデアを乗せたあたりから、急にあかりのひとつひとつが誰かなんだ…と思うと、企画に魂が入っていった感じがします。9万本つけるためにはやり方を簡素にしなくてはならず、竹あかりは一部にして、ペットボトルがいいだろうか?…いや、紙コップでいけるぞ!…となっていったようです。
これがニュータウンらしいと思ったのは、ゴージャスで特別な素材は一切使わないで、紙コップ+砂+キャンドルという簡素そのものの素材で、全体としてはすごくリッチな景観が作れたこと。「個」が「集合体」をつくっているという団地的景観!それを三々五々集まってきた500名の市民が、さっと公園中に散って最低限のスタッフのガイドだけでものすごく短時間で膨大な数のあかりをつけた…というイベントのあり方です。風船だってどこにでもあるものなのに、こうやって見ると、なんてファンタスティックなんでしょう!「お祭り」っていうと「文化財」みたいなものと近しいイメージがありますが、ここにはそんなもの、一切ないんです。それでもこれだけ美しい。
千里ニュータウンはやっぱりすごいなあ!と、感動してしまった一晩の出来事でした。(そうそう、一晩数時間で終わってさっと消える…というあたりもなんだか万博の町っぽいぞ~)
そして…僕がひそかに思ったのは…50年の間にこの町を通り抜けて去って行った人たち…遠くへ行った友達や、亡くなった家族のことも考えたのでした。50年間に「千里ニュータウンに住んだことがある」人の数は、いったいどれぐらいになるのでしょう?50年間の平均人口をざっと10万人として…「平均10年で入れ替わる」としたら、5回ローテーションが回るわけだから50万人?周辺の「グレーター千里」をざっと千里ニュータウンの3倍と見たら150万人?「千里人」は、けっこうたくさんいるのかもしれません。

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