国循が…消えていく~

1977年から2019年まで、42年間藤白台に存在した国循(国立循環器病研究センター)。今年4月から解体が始まり、まず、一番高くそびえていた病棟が姿を消しつつあります。

写真右手に残っている白い建物は研究所棟。その手前、薄いグリーンで左右に長く見えるのは北千里高校です。右奥の巨大な臼のような塔は、箕面市小野原西の給水塔です(千里ニュータウンの中に給水塔はありません)。間の竹林が、吹田市と箕面市の境界であり、千里ニュータウンの周辺緑地=千里緑地と言われるグリーンベルトです。

国循は、国にひとつだけの循環器を扱う「国立高度専門医療研究センター」で、ほかに国立高度専門医療研究センターは何があるかと言うと、「国立がん研究センター」「国立精神・神経医療研究センター」「国立国際医療研究センター」「国立成育医療研究センター」「国立長寿医療研究センター」と、錚々たる面々。国循が大阪にあり、長寿医療研究センターが愛知県にあるほかは、すべて東京が拠点です。

だから同じ吹田市内の岸辺に移転した程度のことは国家的観点からすれば「小さなこと」なんですが、やはり「視界から消える」というのは、千里に思いがある者には、こたえますね。国循は北千里のランドマークだったんだな。母も何度もお世話になったし、仕事でもかかわりがありました。僕には思い出がありすぎます。

跡地が「グレーター千里」の都市計画的観点から活用されず、ただ売られてマンションと戸建になるという情けなさも、やりきれなさの大きな原因です。あまりに大きな敷地で、地域の人口分布が「ゆがむ」ほどのインパクトが出てきます。

関連記事

コメント

    • 中村調子ノリ
    • 2020年 10月 17日

    > 「視界から消える」というのは、千里に思いがある者には、こたえますね。
    > 国循は北千里のランドマークだったんだな。

    全く同感でございます

    先日も用事で千里中央に行った際に 例によって藤白台を車でブラつきました
    今宮から北千里に向かう途中 道路からは白いカベが立っていて見えませんでした 寂しいです…

      • 奥居武
      • 2020年 10月 17日

      跡地利用がいい形になることを願っています。(住宅+小店舗になるのは、ほぼ決定かと。)

  1. この記事へのトラックバックはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る