どこまでも続く石積みの塀と、鬱蒼とした森…。神戸・住吉のお隣り、御影(みかげ)を歩くと、こんな一角に行き当たります。その正体は…香雪美術館。朝日新聞社の創業者であった村山家のコレクションをベースにした民間ミュージアムで、白鶴美術館などと同じく公益財団法人になっています。今は大阪・中之島のフェスティバルタワーにある中之島香雪美術館と2館体制になっています。
この行き止まりから右を見ても左を見ても終わりがわからないほどの広大な敷地で、中学校みたいだな…と思いましたが、帰宅してから地図で確認すると、やはり近くの中学校と同じぐらいの広さはありました。同じ敷地の中に、香雪美術館と、旧村山邸が隣り合って建っています。広大なだけでなく、手入れが実に行き届いているのが「庶民の庭」とは違います。
こちらのコレクションは中国だけでなく日本の近代絵画など、親しみやすいものも入っています。朝日新聞社が構える中之島・肥後橋界隈の少し昔の風景画など、その一角に会社があった私も懐かしく拝見しました。
この一角はいわば「大金持ちの世界」で、一億総中流の時代が作ったニュータウンにはない光景が広がっています。住居表示や、近くを通る「山手幹線」の整備も、かなり遅くまで時間がかかったと記憶しています。「総中流」がいいのか、お金持ちはお金持ちの「あこがれの世界」の香りがあったほうが楽しいのか…。その「お庭とお宝」を見せていただくような、ちょっとあらたまった美術館見学でした。
(ところで美術館でお手洗いを借りようとしたら「外です」だって!なにー?建物はすごく立派なんですよ…。お金持ちの世界は、ようわからんです…)
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2021年 4月 24日トラックバック:伝説の「村山カーブ」 | アラウンド・藤白台
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