22日は20回(コロナによる中断があるので20年以上)続いた「千里の竹あかり」の最終回が千里北公園でありました。「千里の竹」の景観の美しさを再認識させるイベントで、SNS上では「やめるなんてもったいない」という声が複数見られました。

「運営する側の苦労」を考えると「イベントは終わらせるのも大変」という言葉が思い出されます。「千里の竹あかり」の最大の特徴は「吹田市が主催だった」ということです。NPOに運営は委託されていたようですが、20年続けば60歳だった人も80歳になるわけで、一方で竹林は関係なく成長を続けます。

竹は成長がきわめて速いため、伐り続けないと同じ状態が保てません。番傘をさして竹林の間をスーッと通り抜けられるのが「いい竹林の目安」だと聞きましたが、その状態に保ち続けるのは大変なことのようです。

「千里の竹あかり」はもともと、イベントという前に、「竹林の整備への理解向上」が目的だったのだと思います。人を集めるイベントとしては、狭い竹林の斜面を会場にしていたので限界がありました。規模がずっと3,500本前後でほぼ一定だったのも、この制約が大きかったのだと思います。

その中では「やる側」と「見る側」が分かれてしまい、観客は一瞬立ち止まって写真を撮るぐらいしか参加の方法がありません。20年前には「インスタ映え」という言葉もありませんでしたが、ずらりと並んでスマホを向ける人たちの群れを見ていると、「バエ」という言葉の中に千里の竹林が消費されていくようで、「環境学習」という趣旨からは、このイベントは曲がり角だったのだろうと思いました。参加側が「見るだけ」になってしまうと、運営側の若返りも進まなくなってしまいます。

千里の竹林はもともと「タケノコを採る」という産業の実用があって、手入れが循環していました。そのサイクルがニュータウンの開発によって変わってしまったのです。しかしやっぱり保っていきたい千里の竹林。イベントが終わっても「環境から学ぶ課題」は残ります。若い人たちが関心が持てる新しいアイデアがあればよいのですが。

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