民間もかかわる「ニュータウン活性化」

3月16-17日に名古屋~高蔵寺ニュータウンで行われた「団地妄想フェス」は、1日目、2日目とも大変熱量の高いイベントでしたが、僕が面白いなと思ったのは、主催がURでも春日井市でもなく春日井製菓という民間企業だったことです(URは「協力」。地元の建築家集団ダンチテクツさんとの共催です)。

同社が「団地味ラムネ」という商品を作っていたことは知っていましたが、こんなにがっつり、団地(ニュータウン)に関わっているとは…(しかも「団地味ラムネ」は非売品なんです。クラファンで申し込む仕組み)。それに同社の高蔵寺ニュータウンへの関わりは一発ではなく、継続的にやっているのです。

私もマーケティングをかじった頭で考えると、同社の主力製品である豆菓子は、低関与度の日常品で、ブランドスイッチがしやすく、製品自体の特色が打ち出しにくいジャンルです。一方で、いつも身近にあって、どうやって日常に入り込むか?ということが大切な関わりどころになりますね。「大阪のおばちゃんのアメちゃん」というのは、いつもバッグにしのばせていて、人との会話をちょっと継ぎたいときに出てくる「簡易なコミュニケーション・ツール」で、お菓子というのはそういう面があります。

同社のスローガンは「おいしくて、安心して多くの人々に愛され続けるお菓子作り」ですが、「安心して」「多くの人々に」というあたりは団地(ニュータウン)に通じる心理的価値がありますね。

このように民間企業が「公的な活動」に関わる利点は、役所よりも柔軟にやることが許されて(もちろん社内の同意は必要ですが…)、その結果、面白く、より多くの人を巻き込める可能性があるということです(センスは必要です)。団地の課題である若い人も来やすくなりますね。行政では(たぶんURでも)、まずタイトルの「妄想」からして通らないでしょう。それに民間主催なら「公平の原則」に縛られず、任意の対象にスポットライトを当てることもやりやすくなります。

今、全国のニュータウンや団地で「活性化策」が練られていて(それは人口減少日本の縮図でもあります)、その第一主導者は行政であることが多いですが、(開発当事者ではない)「民間からのアプローチ」も例が出てきています。

大阪府池田市の伏尾台という小さなニュータウンでは、ローソンがコアになって生活利便施設の再構築をやろうとしています。近隣住区理論の現代版解釈と言えるでしょうか。兵庫県宝塚市の中山台ではハウスメーカーが「再生」の座組みに入っています。大学が研究室単位で入るケースも多く見られます。(もちろん、公的セクターと連携してやっています。)

「まち」は暮らしの集合体ですから、「ニュータウン活性化」も多様な「関わりしろ」があるということです。そういう切り口もあるんだということは、ニュータウン住民にとってはとても勇気が出ます!

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