遠くの町の仲間たち…ハウステンボス(長崎)

北から南へ一挙に飛んで、ハウステンボス行ってみましょう!えー!ハウステンボスはテーマパークで、さすがにニュータウンじゃないでしょう…という声が聞こえてきそうですが…
この一角には、人が定住できる分譲住宅地「ワッセナー」があるのです。戸建が多いですが集合住宅もあり。(行ったことないですが)オランダの街並みを再現しているようです…。住宅地の入口は、テーマパークとは区切られています。あるコンセプトで区切った理想的な一角に人を住まわせているなら、それは少なくとも「ニュータウン的」とは言えないでしょうか?
もう一つその思いに至ったのは、高度成長期に、規格化によってひたすら「量」(+ある程度の質)を追求したニュータウンは、やがて量が充足するにしたがって、1980年代から個性化の方向に向かいます。外国からモチーフを持ってくることは、こういうときに日本人がよくやること。うがった見方をすれば、「特色をつけないと売れなく」なり…この方向をつきつめると、ニュータウンはなんとテーマパークに近づいていくのです。
ハウステンボスは「通過型の観光施設ではなく滞在型のリゾートを」という理念から、テーマパークから入ってニュータウンにアプローチしているとも言えます。いまは249戸の規模ですが、「人口3万人が定住する都市をつくる」という当初の構想は生きているのでしょうか?
中を見学すると、運河に囲まれ、ゲーテッドな造りになっていて、戸建住宅には直接ヨットがつけられます。学校や、ショッピングセンターは、この中にはありません。価格は相応に高いから住民はリタイア層が多く、学齢期の子供は少ないそうですが、「島の外」の学校に通っているとのこと…。ハウステンボスって、周囲はほんとに田舎で、この「内外ギャップ」もなんだかニュータウンっぽいなあ…
どこか現実離れした「ニュータウン」ですが、一つの究極の姿として、ぜひ「定住人口3万人」の計画は実行してほしいと思いました。ハウステンボスの来訪者は、いま中国人観光客が大変多くなっていますが、その分譲住宅を買うのも、やはり外国の富裕層という町になるのでしょうか?
…いやしかし、北海道でも九州でも、思い切った生活している人はいるんですねー…僕はあしたから会社です。

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