
今回の万博会場は「未来社会の実験場」ともうたっていますが、「空飛ぶクルマ」のような先進技術だけでなく、社会習慣に関わる部分でも「実験」があります。その一つが「トイレのあり方」。
仮設であることを前提に、さまざまなタイプの公衆トイレが設置されていますが、そのうちの何ヵ所かは「オールジェンダートイレ」として、誰でも同じ空間に入って、個室も男女共用で使い回すトイレになっています。オールジェンダー空間がない(男女の空間が分かれている)トイレもあるし、外から直接男女共用の個室に入るトイレもあります。1ヵ所すべてオールジェンダーのみ、というトイレはないようです。下の写真では「男」「女」「男女共用」の3つの空間に分かれています。

さて…万博終了後にこのような「オールジェンダートイレ」が他の公衆空間で定着するのだろうか?観光地の古いトイレなどでは、「男子小用」+「個室」だけがあって個室は男女共用というトイレもありましたが、ああいうタイプはとくに女性には抵抗感があるのではないか?と思ったりもするのですが…よく考えれば列車や飛行機の中では(空間に制約があることから)「個室は男女共用」というつくりも一般的で、これまでも必ずしも男女が完全にセパレートではなかったわけです。清潔感の問題は、また別の次元かもしれません。
トイレの建物全体も、1ヵ所ごとと言ってもいいぐらい違うデザインが採用されて若い建築家にチャンスを作っているようですが、残念なのは…外観が違うのでどれがトイレなのかがわかりにくいことです。ピクトグラムが十分に機能していないのかもしれません。

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