人魚の浜の言い伝え(沖縄・石垣島)
- 2011/4/22
- 災害体験
- 沖縄, 震災
- 2 comments
江戸時代に八重山地方を襲った明和の大津波に関しては、言い伝えが残されています。
石垣島の東海岸(観光客があまり行かないほう)、小さな星野部落に伝えられる人魚伝説もそのひとつ。沖縄で人魚と言えば辺野古でも有名になったジュゴンのことだと思いますが、ある日漁民の網に人魚がかかり…命乞いをするので海に帰したところお礼に大津波が来ることを教えてくれて星野の人たちは助かった…という伝説です(紙芝居はこちら)。
星野の海岸は(すごくひっそりとした浜ですが)「人魚の浜」と呼ばれています。写真のずいぶんファンシーなマーメイドちゃんは村の中心の共同売店の横、トイレの屋上に鎮座しておられます…由緒を書いた案内板も何もないから(今はどうなったかな?)、なんでトイレの屋上にマーメイドがいるのか、地元の人以外はわかりませんが、村のアイドルってところです。
明和の大津波は東から襲った波が大きな石垣島の西まで駆け抜け、島の人口は半分にも減ってしまったという大災害でしたから、人々はその事実を忘れないように、こういう物語をつくったのかもしれません。あるいは星野の人たちだけが逃げて助かったというのは、ほんとうに人魚が教えてくれたのでしょうか。
一方で、そこまでひどい目にあっても歳月がたつと人は忘れてしまう…という悲しい事実があり、たまたま石垣訪問中に震度3程度の地震があり、石垣港のサザンゲートブリッジにわざわざ見物に行った人がいた…と地元の警察はカンカンになって怒っていたと新聞に出てました。そういうことがあるから「伝承」は大切なんですね。
ジュゴンの写真とキャラクター化されたマーメイドを見比べると、ぜんぜん違うもののようにしか思えないですが…ジュゴンの授乳ポーズのシルエットは人魚のように見えるらしいです。海ではいろいろ不思議なことがおきますから…
ニュータウンにも何か「伝承」があるといいのかな。それはたとえばゾウの行進?
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (2)
毎年八重山に行っていますが、この津波、相当凄いものだったようですね。
黒島も2月に行きましたがここでも津波の記録があったのですね。
いずれも今回の三陸の津波であらためて怖さを認識しました。
黒島は海の近くに村を造らないことを200年以上守っているのは驚きです。でも沖縄全体では海の近くの村はやはり多い…意外と漁業に従事している人は少ないようですが、やはり生活と海が一体化していますからね。大阪市の中心部も実は水面すれすれの場所はたくさんあり、梅田の地下街なんかとても心配になるときがあります。