阪神大水害を知っていますか。(1938年7月・神戸六甲)

1月17日は阪神大震災の記事や報道がたくさんありましたが、阪神大水害はご存じでしょうか。
昭和13年、梅雨時の集中豪雨で六甲山系のいたる河川が決壊し、山津波(土石流)となって阪神間の町を襲った大災害です。母の家族は当時阪急六甲と石屋川の間、現在の灘区老松町に住んでおり、この大水害も経験しています。道路なのに、2階の高さにまで土砂が積み上がっています。「水害」と言っても押し寄せたのは岩も混じった「泥」だったのですね。上に立っているのは私の母です。大雨は7月3日から5日まで3日間降り続いたのですが、この写真は何日後の撮影でしょうか。写真など撮れる状況であったのは、神戸は坂の町ゆえ母の家は少しだけ高くなっており、ギリギリで床下浸水で済んだからです。
長い間、神戸の自然災害はこの大水害の記憶が強く、大震災の後で「土石流には対策をしていたが地震は思いもよらなかった」という発言もあったとか…。
大水害があり、戦争があり、大震災があり…人がある場所で一生生きていく間にも、なんと多くのことが待ち構えているのかと思います。それでも写真は2008年もここにあり、何かを訴えかけてきます。今年は大水害からちょうど70年になります。

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