友人の旧宅の庭に残された桜が、今年もすばらしい花をつけました。
前にも一度書いたのですが、友人は兄弟とも遠くで家庭を持ち、残っていたご両親もお年をとられて、昨年、千里を離れていったのでした。「40年暮らした家を手放すことは断腸の思いだ」と、友人は僕に書いてよこしました。
一戸建てで持ち主が変わると、多くの場合、古い上屋は取り壊されて、丹精された庭も更地に戻してしまうことがほとんどです。最近は売りやすくするため敷地分割されるケースも増えました。友人の家もそうなってしまうのだろうか…大きく育った庭の桜もこれまでか…でも売れないのも困るだろうな…とひそかに案じていたのです。
ところが入ってこられた新しい持ち主は、上屋も壊さず、庭も少し手を入れただけで、ほとんど友人の家族が使っていたままに引き継いでくださいました。立派な桜もそのまま残りました。友人のご両親が40年手をかけてきた愛着が伝わったのでしょうか。
新しく住まわれている方は存じあげませんが、道から桜を楽しませていただいて、「よかったなあ」と思ったのでした。ニュータウンにも刻まれていく歳月があります。
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