千里ニュータウンにないもの(愛知・高蔵寺ニュータウン)

皆でドングリを植えたという高森山のてっぺんに、それはありました。ニュータウンの竣工記念碑。大きな石に刻まれた、それは立派なものです(1982年設置)。
この碑を前に多摩ニュータウンから来られたTさんは「多摩ニュータウンは造り始めて30年以上たって、まだ造ってる部分があるので竣工記念碑がないんです」。千里から行ったメンバーは顔を見合わせて「…千里にこういうの、あったっけ…?」
…たしかに竣工記念碑は千里ニュータウンにはないのですが、その代わりに1970年にニュータウン内各所に設置したのが、千里中央にあった「ステンレスの林」であり、今も藤白台を見下ろしている「風の道」なんじゃないか!と気がつきました。伝統的な石碑を置かずに現代彫刻を置いたというのは、万博を迎えた当時の大阪のモダン感覚でもあったわけです。未来都市ニュータウンらしいですよね、そういう判断って。
ああそれなのに…千里中央のリニューアルに際して「ステンレスの林」の置き場所を確保しなかったなんて…!(豊中市内某所で保管中。)高蔵寺のようなわかりやすい立派な碑の形をしていたら、行き場所をなくしてしまうことがどれほどゾンザイなことか、わかるはずです。いっそ銘板に「千里ニュータウン竣工記念」と刻んでおけばよかったのでしょうか?
…と、この立派な石碑を見ていたら、千里のふがいなさが思われ悲しくなってしまいました。いいなあ、この碑は皆にかわいがってもらえて。

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