理想の町を追いかけて(ブログ開設4周年)

8月13日は「アラウンド・藤白台」の誕生日です。速いもので、もう4周年!始めたのは2006年8月13日でした。読んでくださる皆さんがいればこそハゲミになって続けられるというもので、深く感謝申しあげます。
このブログも最初のころはヨチヨチと藤白台の中のことだけ書いていましたが、→千里ニュータウン全体へ→日本のニュータウンへ→世界のニュータウンへとどんどん徘徊がひどくなり、先月はついに日本の大規模ニュータウン39個を踏破!6月には上海のニュータウンにも行ってきました。最近、千里の写真が少なくてごめんなさいね~。
写真は、その訪問のために買った地図。いっぱい行ったなあ!地図好きなんですよ。子供のころから。真ん中に重ねてあるのは子供のころに中辻書店で買ってもらった「千里丘陵ニュータウン図」で、僕のニュータウン歩きの原点ともいうべき地図です。その右は今もファンが多い石原正さんの「千里絵図」。これは大学のころに買った1982年版。
最近はカーナビもあるし(僕のクルマにはついてないけど旅先で借りるレンタカーにはまずついてます)、冊子になった道路地図を買えばいちいちこんなに買うことないんですが、やっぱり地図はこうやってパタパタ畳んであるのを広げて見ないと…広い中で見ないと全体との関係が掴めません。
2年前の誕生日に「ニュータウンの本を書きたい」と宣言してしまい、そのためにはまず実際にニュータウンを見て歩かねば…と目標を立てて、1年前の誕生日のブログを見たら「2年ぐらいで何とかしたい」とか書いてるんですが急にスピードアップして1年で「大規模39個」を行ってしまったのは、理由があります。
だって再来年(2012年)は千里ニュータウンまちびらき50年なんだもん。千里は「日本で最初の」大規模ニュータウンですから、それは同時に日本のニュータウン半世紀ということ!ここまでに本を出したい!
…でもまだ…大ざっぱな構成はできてるのですが、中身は書けてないのです。具体的に出版社どうするかとか、全部これからだし。
それにここ半年、追い込むようにつぎつぎ行ったので、実は消化しきれなくて(このブログでもまだ紹介しきれてません)、頭がゲップ状態…。
しかし思うのは、やっぱり自分の町のことをほんとうに知ろうと思ったら、自分の町だけ見ていたのでは不十分で、同じDNAを持つほかの町を見ないと、全体が見えてこないのです。ニュータウンはなぜこんなにたくさん造られたのか?そこに働いた力学は?どんな「理想」をそこで実現しようとしたのか?造った人の夢と、住んだ人の夢は同じだったのか?ニュータウンは「普通の町」になれるのか?なるべきなのか?ニュータウンができる前、そこには何があったのか?これから先、どのようになっていくのか…?
たくさん見たからだけでなく、いろいろな思いや疑問がふつふつと育ってきてしまって、やや「とまどって」いるのも正直なところです。3年前の誕生日に書いたように「その美しさの中の ほんとうの姿」には、とっても深い奥がある。ような気がますますしてきました。
僕は建築とか都市計画の専門家じゃなくて、ただ、この町を46年前から知っている。46年前も、今も知っている。で、町は徘徊してるけど、まだおじいさんじゃない。(笑)それだけがユニークなポジションです。で、たまたま「ものを書く」仕事をやっている。
だから住んできた人間の視点で、専門家だけじゃなくて誰もがニュータウンに関心を持ってもらえたらと…これも何度か書いたかな。
ニュータウンに関係ありそうな本は片っ端からゲットして読んでるので、それもゲップの原因かもしれません…。「ニュータウン」と「大規模団地」の境界だって、あいまいだし。
このブログも記事の数が多くなって「時系列」と「テーマ別」だけじゃ不便なので、サイト仕立てにしたいとずっと思ってるのですが、なかなか…。
ちょっと迷い道くねくね気分ですが、これからもご声援ください!明日から、どうしようかな?まだ消化してないニュータウンのことを書くか、ニュータウン本の総まくりをやるか…?

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (7)

    • alemie
    • 2010年 8月 14日

    4年前から高野台に住んでいるので興味深く拝見しています。
    これからも頑張ってください。

    • 奥居武
    • 2010年 8月 14日

    ありがとうございます。僕は幼稚園と高校が高野台だったので高野台はなつかしいです。46年前、そこまで行かないと幼稚園がなかったんですよ。スクールバスでニュータウンの南北を毎日往復したことが「ニュータウン好き」につながってると思います。道路の舗装も途中までしかできてない造成地が、どんどん未来都市に変わっていくのをバスの窓から見てました。未舗装の部分に来るとバスがひどく揺れて園児たちがぴょんぴょんはねるんです。ほんとに幌馬車気分!年長になったとき藤白台にも幼稚園ができて、もう一回転園してふじしろに通うか、そのまま玉川で最後まで行くか、親に選ばされました(爆)。ここでもう一回転園しておけば、小学校に上がったとき仲のいい友達は多くなってるだろうと…でも転園は一度でいいと思ったから、小さな頭を痛めて最後まで玉川に通うほうを選びました。人生最初の大決断でしたね。

    • 藤白のみっちゃん
    • 2010年 8月 14日

    四年間ご苦労様です。
    独白になると、どうしても一方向になりがちですが、バランス感覚も良く、安心して楽しめます。遠いところ、高いところもお好きなようですが、目線だけはいつも低い。町が好きなんですね。これからも楽しませてください。

    • 健ちゃん
    • 2010年 8月 15日

    ブログ4周年おめでとうございます
    先日ふと何気なく古江台幼稚園のアルバムを見ていたら一緒に写っていた女の子が、青中で同じ組の席隣同士だったことに30数年経った今気付かされました。気さくな子で人見知りな僕に最初からよく話しかけてくれたから、もしかして彼女はそのことを知っていたのかなぁ…
    たった一か月の青中在学の淡い思い出です。「故郷」を遠く離れて暮らす僕にとって、人生を同じ場所で暮す奥居武さんが正直言って羨ましいです。
    これからもブログ楽しみに拝見させて頂きます。

    • 奥居武
    • 2010年 8月 15日

    ありがとうございます!
    藤白のみっちゃんさん、
    > バランス感覚も良く、安心して楽しめます。
    いやいや、ずいぶん言いたいこと抑えてますからね~。勝手な住民、腰が引けた行政、長期視点のない開発者、商売優先の民間業者、オールドタウンはもう駄目だって言ってるだけの専門家、センスのない建築士、不勉強なマスコミ…でもそんな人は一人もこのブログ読者にはいらっしゃらないのでここで文句を書いても意味がないですよねえ。美しい風景を鑑賞しているほうが建設的です。「辛辣モード」でやっていたら、僕もこんなに続かなかったでしょう。基本的に私は「口が悪い」ので、前向きな気分を忘れずにやっていきたいと思います。
    > 目線だけはいつも低い。
    専門家じゃない、ここで育っただけなんだから、どこの町へ行っても「ここにもし自分が住んだら…」という視点から離れないようにしたいと考えています。
    健ちゃんさん、同級生の多くもニュータウンを離れて、おじさんやおばさんもいつのまにか亡くなっていき、団地の建替もあっちこっちで始まって(府営もこないだごく一部が囲まれました)残っている立場も淋しいんですよ。なにかニュータウンが別のものになっていくようで。「日本で最初の」なのに!でもじゃあ、残ってる人間は、何かを伝えないといけないと思うんですよね。建物も人も入れ替わる、でも「何か」続いていくものがあるはずだ…カタチにとらわれないで、その抽出作業ができたらいいなと思っています。遠くでも千里のこと、忘れないでくださいね~!(これは皆に言っている)

    • カンチョー
    • 2010年 8月 16日

    NTのデータがそろったところで、日本地図にドットしてみればいいですよ。都会に集中しているだろうことは当然だけど、創設年代がうまく階層化できるとおもしろいでしょうね。

    • 奥居武
    • 2010年 8月 16日

    ありがとうございます!「おおどころだけ駆け足で行った」というのが実態で、ちゃんとこれから整理しないと…と思いつつ、きのうもポートアイランド行っちゃいました。青空が「これはいける!」という感じだったので…。だんだん行動が動物に近くなっているようです。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る