角度を変えて、あやめ橋。橋の下からぐるっと270度回ってかけのぼると橋の上…。
地形の起伏を生かした千里ニュータウンに橋はいっぱいあるのですが、上も下も車道で、単純交差じゃないこういう造りの場所は、ほかにありません。あやめ橋は北千里と南千里を結ぶ幹線道路だけじゃなく、阪急電車の線路もまたいでいるので、平面交差を避けて高野台と津雲台を結ぼうとすると、こういう構造になったのでしょう。
僕は幼稚園の頃、高野台の玉川学園幼稚園までスクールバスで通っていたので、スクールバスがこのカーブを曲がってあやめ橋の上に出るときは、コースの中のハイライトでした。路線バスはこんな坂道の急カーブは通らないけれど、小ぶりなスクールバスはくるっと回って橋を渡るのです。子供心にカッコよかった。ミニインターチェンジというか、ちょっとプラレールな感じでもあります。
今では渦の中心の部分に植えたメタセコイアも成長して、町のアクセントの貫録十分です。ニュータウンは地形の変化を生かして、ときどきこういう凝った街区を造ることがあります。
昔はこの橋の下に「あやめ橋」というバス停もあったのですよ。山田駅ができて、このあたりのバス路線は整理されたのでなくなってしまいましたけれど…。
「あやめ橋」というひらかなの名前もニュータウンぽいですが、実は「菖蒲谷」というニュータウン開発前からの小字名を引き継いだ名前なのです。

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