自動運転にはニュータウンがお似合い

千里阪急ホテル前で、珍しいものを見てしまいました。自動運転の実証実験用のバス車両。3月26日からきょう28日までのわずか3日間ですが、新千里東町内で実験が行われています。レベル2と呼ばれる「運転の主体はドライバーで、システムはあくまで運転を支援する役割」の段階です。

ニュータウン内は道路が広くて歩車分離が整理されていますから、自動運転の実証実験には向いている条件だと言えます。新千里東町は千里中央地区センターを含んでいますが、今回のルートでは一番繁華でクルマが混みあう商業地域のど真ん中は含まれていません。急勾配の区間もありません。…という意味では、比較的マイルドな実験だと言えます。

しかし、とにかく先進的な実験をやってみるというのは、大切なことです。豊中市はゴルフカートを応用したようなスローモビリティー(モビとよ)の走行も新千里北町・東町で行っていて(こちらはボランティアによる有人運転)、攻めています!千里ニュータウン内にはバス停から離れている戸建住宅街もあります。どの場所でもバス停から600メートル以内には収まるように設計されていますが…坂もありますから…若い人にはたいしたことなくても高齢者には…少しきつい条件です。

高齢になってもクルマを手放せないというのも不安なものですしボランティアに頼った公共交通も限界があるとなると、やはり自動運転の可能性は追求しないわけにはいきません。

もちろん安全性、コスト、メンテナンスなど課題は多くあります。でも「未来社会の実験場」にニュータウンが使われているのは、やはりうれしいものですね。道が広くて住民ニーズが高いというだけでなく、ニュータウンにはそういう試みを受け入れる気風があると思います。それでこそ「オールドになってもニュータウン」です。

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