町はメリー・ゴーラウンド

きのう9/2は吹田市立博物館で千里ニュータウン記録映画の上映会を行い、不肖私が解説をさせていただきました。一日でいろいろな方とお会いしました。
○上映会前には、春の「アーカイブ北千里」写真展で若くして亡くなったお嬢さんの写真を見つけ、ご連絡をくださったお母様がわざわざ来てくださいました。
○FM千里のスタッフも「事前同時中継」に来てくださいました。
○このブログを読んで、遠く福島県からこのために30年ぶりに千里に帰ってきた「健ちゃん」の姿も…。
○大阪府住宅供給公社の建替担当の方や、民間マンションの千里担当者も町の歴史を知りたいと来てくれました。
○青山台中学校の同級生も来てくれました。
○公民館の館長さんや委員の方も来てくださいました。
○自治会長さんや藤白台の町内の方もお見えになりました。
○博物館で昨年の「千里ニュータウン展」に関わったメンバーも…。
○建替のためにニュータウンを離れた「てつ」さんも、めでたく親子連れで来られました。
…私が感じたのは、町というのはまさにいろんな人の思いを乗せて回るメリー・ゴーラウンドのようなものだということです。時が流れて建物が変わり、少しずつ人が入れ替わっても「何か」が引き継がれていく…町には「包容力」があるのでしょう。開発者と住民が「夢」を託したニュータウン…これからも「夢」と「ニュー」に臆しない町であってほしいと思います。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (12)

    • oka
    • 2007年 9月 02日

    いや~あ、良かったですよ。(^^)
    それにしても、40年という月日は長いですね。
    「当時の月収が5万円で、1万円の家賃を払って」なんてところがありましたが、この間に年収は10倍くらいになっているんですね。そらあ、豊かになるのも当然です。
    私がなにより驚いたのは、この40年における女性の化粧の技術の進歩です。映像に移っていた主婦たちは、とても20代や30代に見えない。いまの40代の方がはるかにきれいに見える。
    う~ん! って感じですね。

    • 奥居武
    • 2007年 9月 03日

    面白いところに注目しましたね。以前の上映会でレタスの値段に(昔なのに高くて)びっくりしたとコメントいただいたことがありましたが、僕は多分この映画何十回と見ていて気がつきませんでした。見る人が違うと気がつくポイントが違うのも、上映会の面白いところです。

    • 健ちゃん
    • 2007年 9月 03日

    いや~とうとうお互いに面が割れてしまいましたね(^^;)想像していたよりスリムな方だったのでちょっと以外でした。
    でも、本当に記録映画を拝見させて頂いて、心底大感激しています。私の中で「ニュータウン」と呼べる街は千里ニュータウンだけだと思っています。あのすばらしい街に子供時代の10余年を過ごせた事を誇りに思います。
    記録を見て、赤ん坊の私と一緒に藤白台にやって来た亡き両親を思い出しました。
    時間をつくって、今度は1日かけて”思い出の藤白台”を訪れて見たいと思います。
    ありがとうございました。

    • てつ
    • 2007年 9月 03日

    あのぉ まだ 千里ニュータウンに いるんですがぁ(^_^;
    ほんと 少し遅れて行って 座るところないぐらいだったんで 驚きましたぁ

    • 奥居武
    • 2007年 9月 03日

    あれっ?てつさん山田西に越したのかと思ってました。ゴメンナサイ。本文直すとコメントが浮いてしまうので、このままにしておいていいですか?(ご希望のようにします)親子の会話のネタになりましたか?

    • てつ
    • 2007年 9月 03日

    このままで いいですよぉ
    僕は 43年間 ずっと 津雲台です(^_-) って 2年少し放浪の旅 北海道はありましたが^_^;
    親子の会話のネタ なりましたともぉ 夏休みの宿題にも 役にたったみたいです(^^ゞ

    • 奥居武
    • 2007年 9月 03日

    夏休みの宿題、今年は9月2日が追い込みの日でしたね。あの映画、「町の身近な歴史がわかる」絶好の教材だと思います。(40年って、子供には身近でもないか…)

    • HAL
    • 2007年 9月 05日

    上映会ご苦労様でございました。親切な道案内のお陰で迷わず行けました。ご努力の成果でしょう多数の参加者良かったですね。
    千里NTを作る際、大阪府は確か「マルク債」を借款したことを思い出しました。
    映画を見て、スケールの大きさと、高い理想を掲げた街造りの様子に、この街に住む幸せと、先人の志を次の世代に伝えたいものです。
    「千里NT生きている人工都市」は記録映画なのに、何か屈折した感覚の撮り方で、世の中を真っ直ぐで無く斜めに見ているようでした。当時こんな映像表現が流行してたのでしょうか。
    丁度、その頃子育て最中だった私には、まるで千里NTの主婦は、能天気主婦と見られていたようで、甚だ遺憾でした。 
    それはさておき、上映会はとても意義のあるものでしたし、考えさせられるものでした。
    解説も簡略で当を得ており、邪魔にならぬように配慮され、見事でした。ご苦労様でした。
    有難うございました。

    • 奥居武
    • 2007年 9月 05日

    「千里NT-生きている人工都市」(1968年)は、府が作ったにしてはたしかに異色作です。よく担当者が上司から叱られなかったものだと思います。前向き一辺倒の映画の中にこれが一本混じっていると何か捨てがたい味も感じますが、主婦の方から見ると「甚だ遺憾」かもしれませんね…。映画の中には今では見られない「おぶいひも」で子供を背中にくくりつけて買物に来るお母さんも写っていましたが、「一人は背中にくくっとかないと、とっても家事なんてできなかったわよ…」と言っておられた方がありました。皆が必死で、町にタマシイを入れてきたのだと思います。上映会は機会があれば何度でもやりたいと思います。ご来場有難うございました。

    • まり
    • 2007年 9月 09日

    先日は貴重な映像を見ることが出来てとても楽しい時間が過ごせました。あんなにたくさんの人が集まっている中で話をされてるのを見ると遠いエライ人のようで…、なんだかむしろいいですね。千里NTの知識が一度に増えました。ありがとうございます。
    あの後、博物館にある模型をみて、千里にある学校に通っている頃、自転車通学の同級生たちがどこに向かって帰っていたのか、今更、みんなの住所の記憶とともに地理的に理解できました。
    南千里駅前の友人宅、テトラポットのような形の3方向にむかって棟がのびている団地がかなり初期の映像から撮影されていて地震が心配だという話が歴史と共に真に迫ってきました。
    その友人に見てきた映像の話をしてみたところ、大学の講義で聞いたらしいのですが、主婦が働く場所がないのが千里NTの計画の中の失敗の一つだったということです。
    どうなのでしょう。当時の家事労働の環境では働く余裕などなかったのでは…というのが素人判断なのですが。
    どちらにしてもリアル千里NT住民の方がうらやましくなってきました。
    次の「’07EXPO’70 わたしと万博」も面白そうですね。

    • 奥居武
    • 2007年 9月 09日

    千里ニュータウンは当初から働く場所を大阪市内に依存するベッドタウンとして計画され、オフィスは千里中央にしか配置されませんでした。なので…映画の中にもありましたが…やがて育児の手が離れた主婦は、時間はあってもせいぜいパートや内職といった補助的労働にしか就けなかった…ということは言えると思います。そのエネルギーが自治会やサークル活動に向かったかもしれません。働く場所がNT内に少ないのは男も同じだったわけですが、都心へのアクセスがきわめて便利なことは後発のニュータウンと大きく違う点です。1960-70年代、家庭電化はどんどん進んでいましたから、時間の余裕がなかった…ということはないと思います。ベッドタウンにしてしまったことは失敗だとも言われますが、世界初のニュータウン、イギリスのレッチワースではオフィス立地を試みるも結局選択肢が少ない状態になり、千里はその失敗を見て「割り切って」ベッドタウンに造ったと聞いています。

    • まり
    • 2007年 9月 11日

    ちょっとみたところ、レッチワースの建物は伝統的で英国版千里NTでみた高級住宅街エリアのイメージ?でした。団地のイメージの千里NTとは見た目は随分違います、これが元祖ニュータウンなのですね。そのうち、調査出張になど出かけられるのでしょうか。千里中央!新御堂で近付くとものすごい栄えているように見えます。「~そのエネルギーが自治会やサークル活動に向かったかもしれません。」とのことですが、近頃の主婦同士の人間関係は冷めている様子です。当時はさぞかし熱気があったのだろうな。友人、旦那様も含め、追加情報伝えてみます。ありがとうございます。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る