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千里ニュータウンの「理想人口」は?-1

あけましておめでとうございます。
昨年は千里ニュータウンまちびらき50年、吹田市立博物館での「ニュータウン半世紀展」に加え、地元自治会が少し大変なことになり、年の後半は多忙&困憊していましたが、自治会のもめごとぐらいで凹んでいるのもばからしく、すこし「硬派」なことを書いて調子を取り戻したいと思います。僕はニュータウンのことを書かないと!
ブログという形式は「日々の気づき」を順番に書けばいいので「ゆるい」ところがあり、千里の足元のことを書いたり、海外のレポートに飛んだり、お知らせが割り込んだり、昔の写真が出てきたり、今年もふらふらさ迷うと思われますが、よろしくおつきあいをお願いします。

(トップ画像)映画「ひらけゆく千里丘陵(住宅地区開発の記録)~計画篇~」<企画>大阪府企業局宅地開発部<製作>日本映画新社(1961年)より
さて…前から気になっているのが、千里ニュータウンの「理想人口」はいったいどれぐらいなのか…?そんなこと、考えたこと、ありますか?…これまでのあらすじをざっとおさらいすると、「計画人口15万人」でスタートする→しかし実際には一度も15万人に到達することなく、1975年に12.9万人でピークアウトし→あとは2000年頃まで減少の一途→この10年ぐらいは8.9万人台で横ばいを続け→団地建替が寄与して2011年あたりからようやく回復のきざしがあらわれ、9万人台を回復…というところです。
と、待った!人口の話をするときは同時に「戸数」も考えないといけませんが、千里ニュータウンの初期の計画では「3万戸15万人」が、ひとつのスローガンというか、目標になっていたようです。この数字は初期の記録映画にもハッキリ、何回も出てきます。3万戸15万人3万戸15万人…あれ~?ということは…「1戸5人」で計算していたってことなのか…?1960年頃の住宅事情を考えたとしても…全体の8割が集合住宅のニュータウンで、これは最初から計算がおかしかったのではないですか…?…と、ニュータウン開発に携わったK先生に聞いてみたことがあるのですが、「ほんまやなあ…合わへんなあ…」と、とぼけたお答え…
これはどういうことなのか?その後少し追ってみたのですが、実際には3万7千戸造っています。千里ニュータウンの入居は1962年から1970年まで8年間かかっていますが、途中で「やべ!このペースじゃ計画人口入らない!」と大阪府も気がついたのかどうか…?この計画の変遷は、「あとで造った住区ほど、集合住宅が多く、高層化・高密度化している」という形で実際の町並みに表れています。

映画「千里ニュータウン その都市構成」<企画>大阪府企業局<制作>日本映画新社(1970年)より
もうひとつ都市計画の人から聞いた話は、こういう計画人口というものは、「最大これまでは入って大丈夫ですよ…」という「最大値」を採るものなんだということ。統計的に一番そうなる確率が高い「中央値」でやっちゃいけないんだということです。そうしないと、上下水道の容量とか、学校の教室とかのインフラが、パンクしてしまう。千里ニュータウンでは計画人口に満たなかったのに小学校のパンクは起きたわけなので、人間がやる計画には限界があるわけですが、少なくとも「中央値」を「計画人口」としてしまうと、50%の確率でそれ以上になってしまうので、そんな計画ではダメだということです。「キャパは多めに備えておく」…それでそこまで行かなかったとしても、パンクするよりは、はるかにいい。そう考えると、15万人の計画で最大13万人で収まったのは、「上手かった」と言えるんじゃないかと思います。これは行政らしい考え方ですね。
もうひとつ、これは市の人から聞いた話ですが、生活のレベルが上がり、市民1人あたりのインフラ利用…たとえば水道使用量などは、高度経済成長期より今のほうがずいぶん増えている。15万人で計画して、今実際には9万人前後で、しかし1人がたくさん水道を使うようになったので、それで収まっている面がある…という話。もし本当に15万人入って、各人がたくさん水道を使ったら設備を増強しないといけません。
「町のキャパ」は、地上に出ているものは建て替えられるけれど、それより制約条件になるのは「地下に埋まっているもの」で、これを全域にわたってやりかえるのは大変なことです。
…ああ、ひさしぶりに書いたらしんどくなってきた…。硬派だもんなあ…。つづきは、次回!

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