遠くから「千里ニュータウンを見たい!」というお客さんが来たら、まず連れて行きたいのがここ!吹田市と豊中市の境界近く(ぎりぎりここは豊中市側の新千里東町)、千里中央公園の展望台です。
1966年4月23日の昭和天皇視察に合わせて大急ぎで作られた…というタイミングだったようですが、その後もジミな存在ながらずっと住民に親しまれてきました。遠く万博公園もよく見えるため、万博建設中はその目的でここに来る人も多くありました。大臣や外国大使なども多く来たはず。エレベーターもないけれど、「2つの未来都市」が一望できる夢の場所でした。
そんなに高い塔でもないのに眺めがいいのは、吹田・豊中両市の境界線はほぼ稜線にあたり、どちらから見ても高台の上に立っているからです。藤白台からもよく見えます。上る手段は階段しかありません。昭和天皇も歩いて上られたはず。当時の記事の写しがこの階段に張ってありますが、若かったんだなと思います。当時は64歳で、今の天皇陛下より年下でした。
吹田・豊中両市の境界線はほぼ千里中央線(「千里中央筋」とも「吹田箕面線」とも「千里さくら通り」とも…)に沿っていますが、この展望台がある千里中央公園だけは道の東側なのに豊中市が飛び出したような格好になっています。一見、吹田市古江台の一部のように見えますが…。こういう境界線になっているのは、ニュータウン開発前のジグザグの境界線を1965-68年頃新しい道に沿って交換整理した際、なるべく面積の増減が少ないようにヤリクリしたことと、ニュータウンに3つある大公園のうち、1つは豊中市側に置くという方針のためだったと思われます。
何はともあれ、「これがニュータウンですよ」と皆に教えてくれた展望台。ここに上ると開発期の「夢多き時代」がよみがえってきます。毎日夕方まで。入場無料です。

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コメント

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  • コメント (6)

    • tsugio
    • 2007年 1月 11日

    小学校低学年の頃、今はもう亡くなった父親と自宅から歩いて展望台に遊びに行ったことを思い出しました。
    実家にその時の写真が残っていたと思います。みつけたら送りますね。展望台が写っていたかは?ですけど….

    • 奥居武
    • 2007年 1月 11日

    ご家族との思い出の写真がありましたら、ぜひお寄せください。展望台は写ってなくても、ニュータウンの雰囲気が感じられたら人物中心でOKです。藤白台から展望台までは、子供を連れてちょっと頑張って歩いていくのにちょうどいい距離ですよね。

    • pigmon
    • 2007年 1月 11日

    展望台ができてすぐの頃、学校の遠足で行ったような記憶があります(高野台から、歩いて)。1年生の時だったはずなので、1965年秋(あるいは冬だったか?)には、できていたんでしょうか?竣工がいつか、はっきりわかりますでしょうか?
    当方、1年生の春の遠足は天王寺動物園、2年生の春は京都植物園で、これらは証拠写真が残っています。

    • てつ
    • 2007年 1月 11日

    とにかく 中学校の部活の毎日「展望台コース」と言われ 一週2.4㌔のコースを 毎日 毎日 走りました
    勿論 この展望台の前を必ず走りました
    最近では 年に一度 茨木の弁財天さんの花火をここで見ます 高台でいい眺め そのあと エキスポランドの夏の花火が楽しめます(^^ゞ

    • 奥居武
    • 2007年 1月 12日

    「千里ニュータウンの建設」(1970年)によれば、昭和天皇が来た翌日の1966年4月24日から一般開放となっています。pigmonさんの遠足は2年生の春だったのでは?あるいは3月後半に一足早く上らせてもらったか…?

    • 健ちゃん
    • 2007年 7月 17日

    小学校1、2年の頃の遠足の写真持ってます。でも所々折れ曲げてしまってしわができてしまってま(^_^;)

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