なぜかまたがるニュータウン(びわこ文化公園都市)

既存の市街地から離れて大規模に土地を開発するニュータウンは、どうしても丘の稜線を削ったりして、複数の行政区域にまたがってしまうことが多いようです。それは千里ニュータウンだけじゃないのです。(多摩ニュータウンは4つの市にまたがっています。)
こちらは琵琶湖の南のニュータウン「びわこ文化公園都市」。計画面積は千里の半分ぐらいで、しかも大学キャンパスや美術館、公園などを含む広大な「文化ゾーン」が多くを占めるため「住宅ゾーン」(=飛島グリーンヒル)はそのまた40%ぐらいなのですが、これが見事に草津市と大津市にまたがっています。
千里のように大きな道路で分かれているわけでもなく、いきなり隣家から市が違う…(標識がなければ一つの町にしか見えない)という感じなのですが、町名は変わるし学校区ももちろん違います(たぶん…ゴミ出しのルールや警察の管轄も…)。まだ救われるのは、市境を示す標識がこのように共同で一枚になっていることぐらいでしょうか。
ニュータウンの開発に際しては、新しい道路などに沿って行政の境界の整理がしばしば行われ、千里ニュータウンも完成前に吹田市と豊中市で土地の交換をして実生活の不都合が起きないように調整がされましたが、ここではどうだったのでしょうか。
市町村にとってニュータウン建設は財政負担でもあると同時に利益機会にもなりうるので、またがったからと言ってどちらかにまとめてしまう…というわけにもいかないのでしょうね。

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