太陽の塔「生命の樹」のルーツは…

太陽の塔の内部が、あすから48年ぶりに一般公開されます。その内部の様子は最近たびたび報道されていますが、塔の中心を貫いているのは「生命の樹」という巨大なオブジェ。一番下はアメーバや三葉虫のような原生動物がちりばめられていて、高くなるにしたがって、アンモナイト>恐竜>哺乳類>類人猿…と進化の様子をあらわし(その先は今はなくなってしいましたが)塔の右手の部分から大屋根の中に出て、未来社会の展示に至り、太陽の塔の向かって左手前にあった「母の塔」のエスカレーターを伝って、地上に戻るという構成がオリジナルでした。

太陽の塔の外壁は白基調ですが、内部は対照的な真っ赤な壁に生命の樹はドサイケな蛍光カラーで彩られ、生命の持つエネルギーやまがまがしさまでもがキョーレツに表現されています。これは「建築」ではなく岡本太郎の「アート作品」なのです。その作品性と耐震補強を両立させる要求が、ここまで再公開に時間がかかった理由の一つです(一時期は2010年の上海万博に合わせて再公開したい…という話だったのが、8年遅れました)。

ところでこの「生命の樹」、原型がメキシコにあったという考察が、太陽の塔の展示を引き継いだ「みんぱく」(国立民族学博物館)の研究者の間ではよく知られています。メキシコ版の「生命の木」は卓上に乗るような大きさで、アダムとイブが多数の動物を従える姿で造られた、大変凝った工芸品です。元はカソリック教会で使われたもののようです。キリスト教信仰の世界観を布教のためにわかりやすく表現したもので、その中に生き物が埋め込まれていますが、太陽の塔の生命の樹は、これを進化論に置き換えているわけです。

そして岡本太郎は、この太陽の塔を含むテーマ館を構想していた1967-69年に、何度もメキシコに行っているのです…。

この投稿は2018年3月18日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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