オールド化してると言えなくもないが(ハワイ・ミリラニ)

2018年に50周年を迎えたハワイのニュータウン「ミリラニ」。比較的初期と思われる区画の戸建街です。日本の千里と比べても区画の大きさだけはゆったりしてますが、ゴージャスという雰囲気ではありません。むしろ簡素です。初期の区画の戸建はほぼ平屋で、日本と違って、50年たっても多くの家はほぼオリジナル。建て替えられた家は少ないとのことでした。

アメリカの郊外の家は手前にガレージがあって、家があって、奥にバックヤードと言われる庭を持ってくるので、オモテから見るとやや不愛想というか大味です。住宅の建っている地盤面と道路はツライチで段差はありません(ごくわずかに傾斜がついているようです)。路上駐車も目立ちますが、これは生活道路なのでよそのクルマがびゅんびゅん走らないという前提でしょう。

しかし町の緑は豊かだし、電柱・電線・アンテナがないのはうらやましいところです。

全体にオールド化していると言えなくもないですが、さびれたり、荒れたり、空き家が目立っていたりしないのは、ハワイは全体に人口が増え続けていて、この町も「人口が減るような余裕がない」絶妙のバランスが成り立っているからかもしれません。日本の郊外は「オールド化」と「人口減少」がセットで語られますが、両者は実は別のことで、ハワイでは後者があてはまらないために、人口を保ったまま年輪を重ねている…と言えるようです。

ミリラニの中では高速道路H2を挟んだ東側に「ミリラニ・マウカ」という90年代開発の新しい区画があり、こちらは2階建も多いし区画はややコンパクトで今風の造りになっています。

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