震災から8か月後の2011年11月、まことにささやかなボランティア・ツアーで作業の場を作っていただいたのは、石巻の中でもユニークな外観が目を引く石ノ森萬画館のちかく、旧北上川の中州の一角(中瀬公園)でした。
作業の合間に、地域の人々が昔から心を寄せている場所で、震災の日に大勢がのがれて助かった小高い「日和山公園」に案内していただき、作業場を振り返ってみました。娯楽施設(パチンコ店?)の目印だったらしい「自由の女神」の周辺が、僕たちがゴミを片付けた一角です。中州はすべて津波に洗われ、季節と天候のせいもあるのでしょうか、寂寥とした印象が今も思い出されます。
それでも行ってよかったなあと思うのは、それから石巻の様子が報道され、石ノ森萬画館のあたりが映し出されるたびに、「あの付近はどれぐらいきれいになったかな?」と、やや親近感を持ってこの場所を思い出せるようになったことです。「いしのまき」という発音が聞こえてくるたびに、この場所を起点にいろいろなことが想像されます。
地元民でもないけれど、全くのよそ者でもない、ちょっと行ったことがある人に踏み出せた…それはわずかのことですが、大きな違いだと思いたいです。
そして「今後の防災」を考える時、そういった「リアリティのかけら」を持っていることは、とても大切なことだと思います。コロナが明けたら、また石巻に伺って、同じアングルから景色を見てみたいです。
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