ドバイと千里を結ぶモノレール

とんでもない夢のような埋立地リゾート「パーム・ジュメイラ」と陸地を結んでいるのは、ジュメイラ・モノレール。5キロ半の路線で、わが日本の日立製です。これにどうしても乗ってみたかったのは、このモノレール、2009年の開業に際して千里の足である大阪モノレールが運営・保守面の支援を行ったと聞いていたからです。人工都市、万博、モノレール。縁があるではありませんか。大阪府とドバイ市(首長国)は、友好交流関係を結んでいるのです。車両はむしろ、東京ディズニーリゾートラインとそっくりな形をしています。モノレールの世界は狭い。自動運転で運行されていました。

…といってもこれを使うのは観光客だけで、スーパーリッチな住民たちは自家用車で動き、生活動線は完全に分離されているようでした。それとこのモノレール、陸側のメトロやトラムといった公共交通機関とも完全に経営が別なようで、交通カードは使えないし、駅も接続していないし、トラムを降りてものすごく変な立体駐車場の中を歩いて行くと突然乗り場があるのです。公共交通機関というより、夢のリゾートのアトラクションだと思ったほうがいいかもしれません。海を見下ろしながらパーム型の別天地に乗り込んでいく様は、なかなか爽快です。

はるばる日本から支援を仰ぎながら、他の交通機関と切り離されているというあたりが、このパーム・ジュメイラが民間主導のプロジェクトなのだろうという背景を示唆しているようです。

(2024年3月の訪問記です。)

追記:日立がこんな動画を作っていました。日本の瀬戸内、笠戸事業所で車両を作ってからはるばるドバイに運ぶまでの記録です。沿線の様子も少しわかります。

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  1. 2024年 8月 16日

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