カーポート2台分はあたりまえ(愛知・高蔵寺ニュータウン)

こちらは藤山台の一戸建て区画。やはり中京圏は土地に余裕があるのか、千里や多摩に比べると集合住宅率が低いのが特徴です。
ただし一戸建て区画は平均70坪ぐらいで、100坪平均の千里に比べるとやや小振り(千里が広いのは高度成長初期、土地が安いうちに買収できたから)。中京圏らしいなと思うのは、どの家でもほとんどカーポート2台分を取った設計になっていることです。最初からそう造って売ったのか、途中で各自が増設したのかはわかりませんが…。中京圏ではニュータウンに限らず通勤にクルマを使う人が多いので、マイカーが2台ないと、ご主人が通勤で出て行ったあと、奥さんがクルマで買物に行けません。
敷地が(千里より)小振りなのにカーポートを2台分取るわけですから、いきおい庭はコンパクトなものになりますし、道に面して石垣や生け垣、柵も巡らす部分はきわめて短くなります。建設が千里より10年ほど新しいという時代要件と、中京圏という地域要件の両面から、よりクルマ社会に適応した街並みになってくるわけです。電柱は普通の町のように公道の端に立っていて、千里や多摩のように私有地にセットバックはしていません。
地元の方に価格を尋ねてみたところ、立地にもよるが上物つきで3000~4000万円台とのことでした。やはり中京圏は土地が安い!(※名古屋→高蔵寺は電車で30分ぐらいだから都心への利便性は千里と近い。)地方ほど住宅環境はゆったり暮らせる…という大原則は、ニュータウンでも同じようです。
あとは気のせいでしょうか、黒い日本瓦に土壁風の外壁、見越しの松といった伝統的な日本家屋風の家が多いような気がしました。千里より町が若いのに…。中京圏の人たちはマイホームに対する好みがオーセンティックなのかな?
遠い地方のニュータウン、パッと見た第一印象は「あ!ニュータウンだ!」と、千里との共通性が目に飛び込んでくるのですが、よ~く観察すると、やはり地域性が浮かび上がってきます。

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コメント

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  • コメント (4)

    • みゅら
    • 2008年 5月 22日

    叔母が偶然にも高蔵寺ニュータウンにおりまして
    2度程行ったことがありますがーホント
    街並みが千里に似ていて驚いたことを思い出しました。
    叔母一家は、団地からスタートしたのですが、
    高蔵寺が気に入ったようで、同じニュータウン内の戸建てに引越たのですが~やはり・・・
    カーポートは二台です(笑)
    あと横浜の洋光台という所に、子供の頃千里から友人が引越したのですが、そこもやはり千里と似たたたずまいでした。
    友人の親御さんが、「千里と同じような環境で。」と横浜でおウチを探された結果だそうです。
    初めて洋光台を訪ねたときに、思わず「千里みたい。」と言ったっけな。
    千里を離れているのに、なぜか一度来たことがあるような?不思議な既視感がありました。

    • 奥居武
    • 2008年 5月 22日

    横浜の洋光台・港南台は1966-87年に開発された、やはりニュータウンの一種ですね。開発は千里と高蔵寺の中間から始まり、ずいぶんゆっくり進められたようです。面積は千里の2/3ぐらい…ということはかなり大きい。横浜の中でも湘南の入口にある明るい雰囲気のニュータウンです。ここも一度写真を撮りに行かないと…。

    • Yatsumukusan
    • 2008年 5月 22日

    洋光台は社会人になって一番最初に中古(築8年位)で買った団地です。
    当時は社内融資制度があり同期で第一号。大胆にも借金して購入したのは社宅事情がきわめて悪かったため。
    でもこれが幸いし、ノーエレベーターの5階建ての階段仲間でよく近くにハイキングにいきました。社宅では味わえないおつきあい、今で言う異業種交流みたいなもので勉強になりました。いまでもそれらの方々から年賀状がきます。良い時代だったのかもしれません。

    • 奥居武
    • 2008年 5月 22日

    ノーエレベーターの5階建ては、いまや高齢化ニュータウンの一大問題のように言われていますが、同じ階段の上下のおつきあいは、なかなか楽しいことでもあったのですよね。専門家に言わせると、生活音は上下に抜けやすいため、上下で顔を合わせる「階段室型」のほうが、音のことがトラブルになりにくいのだそうです。コメントを書いていたらますます洋光台も行きたくなってきました。名前がいいじゃないですか。横浜らしい名前ですよね。

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