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ニュータウン行き止まり(愛知・桃花台ニュータウン)
- 2008/7/8
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- まちあるき, 交通
- 4 comments
こちらのループ橋は遊園地の乗り物ではなく、わずか15年(1991-2006)で廃線になったニュータウンへの足、ピーチライナーの終点です。不思議なトマソン状態になって残されています。
基幹公共交通が廃線になるなんて!というのは同じニュータウン育ちとしては驚きもし、心配になるところですが…どうも元々利用者が少なかったので採算が取れなかったとのこと…少し調べると、都心へのアクセス設計がそもそもチグハグだった…ということのようです。ニュータウンからこのライナーに乗ると、終点は名鉄小牧線の小牧駅。このニュータウンは小牧市にありますから、市の中心に出るわけです。ところが…名鉄小牧線はつい2003年まで都心側が中途半端な位置で終わっていて、地下鉄に接続もしていなかった…「都会のローカル線」のような位置づけだったようです。名鉄小牧線の終点から地下鉄の駅までは徒歩10分かかり、これがようやく相互乗り入れでつながったのが2003年。
ところがニュータウン住民はバスや自家用車で本数が多いJR中央本線の春日井駅に出るルートが確立してしまっており、ピーチライナーの挽回はならなかったようです。(※この項、当初間違えて「高蔵寺駅」と書きましたが、コメントでのご指摘により後日訂正しました。)
いくら中京圏はクルマが強いと言っても(いやそれだけに…)なぜこんな中途半端なアクセス設計にしてしまったのか?理解に苦しむところです。公共交通機関での都心へのアクセスは、郊外住宅地の生命線です。
このピーチライナーをもし小牧駅でなく高蔵寺駅のほうに先につなげていたら…と思いますが、市境をまたいで隣の市に人を流すことはできなかったんだろうなあ…(高蔵寺駅は春日井市)。でも結局、住民は便利なほうを取るのですよね。
この廃線高架は撤去にもカネがかかり、維持にもカネがかかり、困った存在になっているようです。
ニュータウンをあちこち見ていると、良好なアクセス設計は本当に「町の生命線」だと痛感します。設計のツメが甘いと、必ず何年後かにツケが回ってくる。
桃花台ニュータウン、歩いてみるとなかなか工夫されたいい町なんですが、このループ線は「安易なニュータウン設計」に対する警鐘の記念碑のように見えてきました。
コメント
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コメント (4)
こんにちは。
>高蔵寺駅に出るルートが確立してしまっており、・・・
実際ニュータウン住民の多くが利用していたのは、「JR春日井駅」ですよ。 (^^)
高蔵寺駅はあまり利用されていませんでした。と言うのも、春日井駅よりも遠いのもありますが、主要駅である名古屋駅に春日井駅の方が近かったので。
なので、高蔵寺駅へと繋がっていても、果たして多くの利用者がいたかどうか・・・。 (^^;
ただ小牧駅に繋ぐよりかは、多くの人が利用したと思います。
>市境をまたいで隣の市に人を流すことはできなかったんだろうなあ…
たぶんそう言う理由だと思います。あくまで噂で聞いたのですが、小牧駅周辺の商店主が「高蔵寺へとニュータウン住民が流れてしまう・・・」と強硬に反対したため、小牧駅から建設が進められた・・・とか。
本当かどうかは分かりませんが、いずれにせよ住民の利便性はまるで考えられておらず、結局建設すること自体が目的だったのだと思います。
(上記のコメントの続きです)
あと最後になりましたが、桃花台線に関する多数の記事を、ブログに書いています。もし良ければ、見てみて下さい。
桃花台新聞 > カテゴリ「桃花台線(ピーチライナー)↓
http://toukadai.exblog.jp/i12
> 実際ニュータウン住民の多くが利用していたのは、「JR春日井駅」ですよ。 (^^)
それは失礼しました。小牧市にしたらニュータウン造って隣の市に人が流れてしまうのもせつない話でしょうが…。せめて名鉄小牧線の都心側の接続がもっと早く整備されていたら…
こんにちは。
>せめて名鉄小牧線の都心側の接続がもっと早く整備されていたら…
同感です。 (^^)