遠くの町の仲間たち…松園ニュータウン(盛岡)

仙台から北へ進んで、こちらは盛岡。ここは前に一度写真だけご紹介しましたが、盛岡市郊外の松園(まつぞの)ニュータウンです。
松に囲まれているから松園と名づけた…というぐらい、緑の丘に埋もれるようなニュータウン(この写真の林はたぶん松じゃないですが)。別荘地みたいですね。1972年から入居が始まり、その後開発された隣接地域とあわせて18,000人の人口があるというから東北ではけっこう大きなニュータウンですが、40年近くたって高齢化、老朽化の問題が出てきていると言われています。
…言われているっていうのは「何とかせねば!」とがんばっている人たちがいるから記事になったりしているので、そういう動きがあることは、ニュータウン仲間としては励まされる話です。町の商業者の人たちが始めた「ライフサポート・松園」という住民組織は、世帯加入率13.5%!自治会でもない任意組織としてはすごく地域に浸透していると言えるでしょう。
お会いしてお話を伺ったのですが、最初は「夢のニュータウン」で皆が若く、教育レベルも高く…しかしやがて子世代が出て行って一挙に高齢化が進み、戸建がしんどくなって集合住宅に移る高齢世帯もあり…という話は、まるで千里の話を聞いているようでした。
ここは盛岡なので雪が積もり、長い坂を通っていく丘の上のニュータウンとしてはアクセスの問題はどうするのだろう?と聞きましたが、市の除雪車が裏通りまで入るから「雪で盛岡の中心に出られない」ということは、ないそうです。ここまで来ると集合住宅は北海道と同じような「片流れの屋根+密閉型の階段室」のタイプになっていました。
救われる思いがしたのは、1990年頃以降に隣接地域が開発されそちらは若い家族が入っていることで(まだ販売が続いていました)、トータルで見ると、極端に高齢世帯に偏っているのでもないことです。藤白台と上山田の関係に少し似ています。こういった大規模ニュータウンに張り付いて開発される「はみだしニュータウン」は、都市計画をやる人は「インフラのただ乗り」だとかあまりいい顔をしないようですが、確実に世代バランスの偏りを均すことには貢献しています。
積雪地帯で、丘の上で、けっこう古くて…とくると、東京や大阪から見るともうとても大変なことになっているような印象を持ってしまいがちですが、ここは頑張っている人たちがいるし、自然が近いことはマイナスではないし(野趣に富んだ湖もありました)、「古くなったニュータウン」というレッテルだけで語ると大切なものを見落とすような気がしました。僕が行った日は雨で写真を撮るのも苦労しましたが、雨上がりの虹はとても何かを示唆しているようでした。

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コメント

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  • コメント (3)

    • こーでねぇと松園
    • 2010年 11月 28日

    松園地域まちづくりセンターの『こーでねぇと松園』です!
    ブログ拝見させて頂きました☆
    松園情報どんどん発信していくので、ブログのリンク貼って頂きたいです!!

    http://cordinate.jugem.jp
    ツイッター:cordinatematu

    • 奥居武
    • 2010年 11月 28日

    GWにお邪魔した時にはライフサポートの川村様にお世話になりました。盛岡松園のがんばっておられる様子は、大阪千里でもときどき話題にしています。リンクは「千里以外NT」の欄をつくりますので少々お待ちください。これからもよろしくお願いいたします。

    • 奥居武
    • 2010年 12月 04日

    お待たせしました。リンク欄に「日本のNT」の欄をつくって『こーでねぇと松園』へのリンクも張らせていただきました。リンク欄が今後長くなりそうなので全体表示を2列から3列に変えました。

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