「団地」がないニュータウン(横浜・港北ニュータウン)

観覧車の上からざっと見たかぎりでは、いわゆる「ニュータウン」というものと同一視されることも多い「画一的な団地群」がまったく見当たらないことが印象的でした。(あくまでも僕が見た範囲では…)
集合住宅は数多く目に入るのですが、いわゆる民間の「マンション」風で、そのデザインもさまざまです。同じような団地が規則正しく並ぶのがニュータウン…という概念からはかなり離れた姿ですが、これもニュータウンの最新形の一つです。
港北ニュータウンは開発が新しく(1980年代以降)、すでに公的主体が全面的に住宅供給に関与する時代ではなかったこと、むしろ「民活」がキーワードの時代に入っていたこと、均一性より個性化が重要視された時代であったこと…そういった背景が、町の風景に出ているのかもしれません。…なにしろ駆け足見学で、下調べも十分ではなく、もっと詳しく調べてみないとわかりませんが…。(それに観覧車から見ただけじゃあね。)港北ニュータウンは千里ニュータウンよりも大きいのです。
写真に写っているのは横浜市営地下鉄のグリーンライン(左)とブルーライン(右)で、手前が「センター北」駅、向こうが「センター南」駅。この2つの駅の間だけは、2つの路線が複々線で並びます。地下鉄だけどニュータウン内はかなりの部分が高架です。
高蔵寺ニュータウン以降主流になったワンセンターシステム(すべての都市中核機能を一箇所に集中させる)の変型というのでしょうか、この2つの駅の間に港北ニュータウンの中核機能は集中されています。実はこの間には早渕川という鶴見川の支流が流れていて、川に沿った一帯はニュータウン除外地域。港北ニュータウンは早渕川を挟んで北と南に2つに分かれています。北半分の中心が「センター北」、南半分の中心が「センター南」で、両駅はつかずはなれず向き合っている…という構造。センター北には阪急百貨店、センター南には東急百貨店。2つの地下鉄路線は、ここでクロスしてニュータウン全体をX字型にカバーしています。

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