キャンパスの中に住む(筑波研究学園都市)

こちらは緑の前庭をたっぷり取ったうらやましいような中層集合住宅ですが、これが実は学生寮(「学生宿舎」と言っているようです)。筑波大学のキャンパスの中にあります。
筑波大学は国策によって旧・東京教育大学を東京の都心から移転・改組したという発足のいきさつによって、学生の住居にも特段の配慮が払われました。それは「いいものを作らないと(こんな遠くまで)学生が来ない」という現実問題への対応策でもあり、同時に、学生や教職員が学校の周辺に住んで、濃い全人的な教育を行う…という「理想の学園都市の追求」でもあったと思います。イギリスの全寮制カレッジのイメージですね。
70年代といえば学生運動は挫折して下火になっていたけれど、学生寮は学生運動の根城になりやすいという理由で廃止の流れもあった中で、思えば大胆な施策をやったものです。
筑波大学の一年生全員は収容できるだけの学生寮があるそうで、その数もハンパではありません。リッパに「団地」と言っていい規模の広がりがありました(キャンパス内の数ヵ所に分かれています)。二年生以上になると、周辺の民間アパートに出て行くことになっているようです。
「筑波研究学園都市」は一種のニュータウンであり、筑波大学はその中の(広大な)一角を占めているわけですが、こうなってくるとニュータウンの中に大学があるのか、大学の中にニュータウンがあるのか…?それほど大学とニュータウンが一体化している筑波…それは「町の理想」と同時に「教育の理想」も追いかけた町であると言えるのでしょう。

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