遠くの町の仲間たち…高島平(東京・板橋)

気がつくと今年もあとわずか…今年訪問してまだ紹介できていない「ニュータウン」を、駆け足で順にご紹介していきましょう。
トップバッターは東京の高島平。「ニュータウン」とは名乗っていませんが、立派にニュータウンの要件を満たしています。大きさは千里の1/3ぐらい。開発は1968年から…ということは千里の後期とかぶるわけで、高層住区はなんとなく竹見台に似ていますね。
ここは一時期、「自殺の名所」というありがたくないフレーズを戴いてしまいましたが…今行ってみると、歳月が樹木を育てて、なかなか落ち着いたいい味を出していました。高層住宅の1Fが店舗になっている、いわゆる「ゲタバキ」で、その店舗が広場を取り囲み、広場は小公園になっている…「囲み型」のコミュニティを作ろうとした設計者の心づかいが感じられます。(この、すべてが内側を向いた設計が、逆に外側に死角を作ってしまい、思わぬ現象を招いてしまったのだろうかと思いました。)
都心へのアクセスもよく、子供の声も団地にこだまして、築後40年を経たにしては年齢層のバランスも良く高齢化もそう進んだ状態ではないように見受けられました。
ここは駅前の高層住区が有名ですが、5階建の団地も、戸建の地区もあります。
高度成長期の孤独を象徴するようにいっとき報道された高島平ですが、歳月はきちんと町を育ててきたのではないでしょうか。

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