遠くの町の仲間たち…高島平(東京・板橋)

気がつくと今年もあとわずか…今年訪問してまだ紹介できていない「ニュータウン」を、駆け足で順にご紹介していきましょう。
トップバッターは東京の高島平。「ニュータウン」とは名乗っていませんが、立派にニュータウンの要件を満たしています。大きさは千里の1/3ぐらい。開発は1968年から…ということは千里の後期とかぶるわけで、高層住区はなんとなく竹見台に似ていますね。
ここは一時期、「自殺の名所」というありがたくないフレーズを戴いてしまいましたが…今行ってみると、歳月が樹木を育てて、なかなか落ち着いたいい味を出していました。高層住宅の1Fが店舗になっている、いわゆる「ゲタバキ」で、その店舗が広場を取り囲み、広場は小公園になっている…「囲み型」のコミュニティを作ろうとした設計者の心づかいが感じられます。(この、すべてが内側を向いた設計が、逆に外側に死角を作ってしまい、思わぬ現象を招いてしまったのだろうかと思いました。)
都心へのアクセスもよく、子供の声も団地にこだまして、築後40年を経たにしては年齢層のバランスも良く高齢化もそう進んだ状態ではないように見受けられました。
ここは駅前の高層住区が有名ですが、5階建の団地も、戸建の地区もあります。
高度成長期の孤独を象徴するようにいっとき報道された高島平ですが、歳月はきちんと町を育ててきたのではないでしょうか。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る