走り去ったヒーロー(阪急6300系)

少し前の話になりますが、阪急京都線の特急用車両だった6300系が、2月28日限りで特急運用から引退しました。千里線に入ったことはなかったけれど…北千里駅の「白線の内側にお下がりください」の表示には、今も6300系の勇姿が残っています。
この車両は1975年に登場し、以来35年間も特急として一線の座を守ってきました。伝統の阪急マルーンに、肩をアイボリーに塗り分けたスタイルはこの車両から…。2つ扉を両端に寄せ、カバーのかかったクロスシートがずらりと並んだ姿は、これが特急料金の要らない車両とはとても思えない奮発ぶりでした。僕も京都の予備校に通っていた頃、大宮駅で「この特急は特急券いらないんですか?」と遠来らしい人に聞かれたことがあります。
千里線で一番数が多い3300系よりは新しいのですが、特急用車両は速いスピードで長い走行距離をどんどん稼いでしまうため、傷みが早くて寿命が短いものなのです。華やかなものは短命…人生の真理を感じさせます。それでも35年間も頑張ってきたのは、偉大な足跡と言えるでしょう。この前の特急用車両だった2800系も均整の取れたスタイルで名車と言われていますが、特急用として2扉だったのは15年ほどの間でした。
後継の特急用車両は9300系ですが、JRとの対抗上、直行客より停車駅を増やしてこまめに客を拾う戦略に転換したため3扉となり、「2扉の風格」は阪急の本線から姿を消したことになります。
6300系はごく一部が4両編成に切り詰められ、嵐山線でのんびり余生を送っています。だったら(どうせあまりスピード出せないんだし)千里線でも…と言いたいところですが(2800系も3扉に改造されて一部は晩年千里線に入っていました)…夢物語ですね。「白線の内側…」の表示でありし日をしのぶことにしましょう。(本線の駅ではこの表示も9000/9300系のものに取り替えられています。)
公社の団地もそうだけれど、登場した頃を知ってるものが引退すると、複雑な気分。35年なんて、あっという間だなあ!

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