上海の郊外電車(地下鉄11号線)

わずか15年の間に420㎞もの路線を造ってしまった上海の地下鉄…車内はこんな感じです。すごく新しくて清潔。
曜日は日曜、時間は昼下がり。客層も若いですね。30年ぐらい前、日本でニューファミリーなんて言われたころの雰囲気がぴったりな感じです。電車は郊外の高架区間をまっすぐに走りぬけ、窓の外には豊かな緑と真新しいニュータウン…。お買い物帰りのショッピングバッグも平和な郊外の日曜日の風景です。北大阪急行とか、田園都市線とか、なんかすごくそういう感じ。外国だって感じはほとんどしません。電車の中で居眠りするのは日本人だけだ…とはよく言われる話ですが、この電車ではけっこう居眠りしてる人いましたよ。
…遠いんです!全部乗り通すと1時間はゆうにかかります。扉の上の路線図ではそんなに駅数があるようには見えないのですが、郊外部に出ると、駅から駅までが長い!上海では日本よりも高密度の建築誘導をしているため、平均通勤時間は47分と、東京よりも短いようですが、遠い郊外は遠い…これからその「遠いニュータウン」へ行ってみようというわけです。変な観光客。でもニュータウンが僕を待っている!
少し気になったのは、この地下鉄、車両の規格が小さいのです。短期間でものすごい路線網を整備するために小さな規格を採用したのだろうかと思いますが…。窓の外は右も左もどんどん新しい町を建設中…それがずーっと続くのです。その町が全部できて人が埋まったら、運びきれるんだろうか?あるいは、埋まらなければそれはそれで問題…。自家用車はまだ贅沢品で普及率は低いのに都心の交通渋滞はすでに悪化しつつありますから、これ以上人口が増えたら公共交通が担う部分はもっと増えるはずなんです。路線によっては10分以上間隔があいていたり、増発の余地はまだ十分あるようでしたが…。
ともあれ「まっしぐら上海」を象徴する地下鉄の風景です。

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コメント

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  • コメント (2)

    • てつ
    • 2010年 8月 03日

    先日 花博以来 久しぶりに鶴見緑地線に乗ったら
    車両がめっちゃ小さいんですよね それもワンマンカー
    座ると向かいの方がすぐ目の前に・・・
    京セラドームでのイベントでしたが車内はぎっしり満員
    あんなちっちゃな地下鉄もあるんですね(^_^;

    • 奥居武
    • 2010年 8月 03日

    車両の規格は鉄道ごと、路線ごとに違います。特に地下鉄の場合はトンネルの断面積が建設費と密接に関係するので、想定される輸送量をにらんで大きすぎないように、小さすぎないように規格を決めることになります。この上海の地下鉄は長堀鶴見緑地線よりは大きかったですね。日本で一番大きな鉄道車両は…新幹線です!阪急も京都線と神戸・宝塚線で車体の幅が違うんですよ。同じように見えて、わざわざ造り分けています。

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