半世紀の風格(千葉・常盤平団地)

前回ご紹介した松戸市立博物館の屋内団地展示は団地が好きな人たちにはとっても有名な一角なのですが、現物の常盤平(ときわだいら)団地はどうなっているのでしょう?
…大迫力の並木道!(この道はケヤキです。)さすが半世紀を超えると、マルハゲからスタートした街区もここまで緑が豊か…という域を超えてますねこれは。昼なお暗いぐらいです。この団地は公団初期のゆとりある敷地計画で、住棟も4階建の棟が多いため、ますます樹の大きさが目立ちます。
前回もお伝えしたように、URの賃貸住宅は昭和30年代に建設されたものは建替の原則が打ち出されていますが、この常盤平では住民の声で、今は「建替しない」ことになっています。
建替をいったん決めた団地はメンテナンスが最小限になりますます傷みが目立つ…ということになるケースがありますが、ここ常盤平では使い続けることを前提にきちんとメンテナンスも入っていて、建物の外観もきれいに保たれていました。
半世紀って、すごいです。自然の力と、人の力。この環境で都心まで1時間かからないんですよ。現実には高齢化や孤独死や、難しいことはたくさんあるわけですが、自治会ががんばっている…人の「がんばる力」をひきだす何かが、この大きな樹々にはあるんじゃないかなあ。
同じ時期に建設された多摩平ひばりヶ丘千里山香里は建替への道を歩んでいますが、今は建替しない、という「もう一つの選択肢」を歩んでいる常盤平、ぜひこの次はゆっくりお話を伺いたいと思いました。

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