町の縁側
- 2011/8/11
- 藤白台
- まちあるき, まちづくり, 団地
- 6 comments
ふれあいの道のことを考えていたら、町には「縁側」みたいな空間がたくさんあると暮らしやすいのかなあと思えてきました。
皆で使うけれど「よそゆき」の公空間でもなく、自分だけで独占してしまう私空間でもなく、住民も外来者も共用できて、雑談ができて、気にかけている人がたくさんいるのでメンテナンスも保たれていく…「公」と「私」の中間にあるような空間。
縁側って、若い人わかるかなあ?…書き込みができるインターネットの空間って似ているかもしれない…昔はどんな家にも「縁側」があったし、土地が安かったから誰の土地だかあいまいな余白の空間が町にもたくさんあったと思うのです。
計画都市の千里ニュータウンも、できた頃には、戸建も団地も、塀なんかあんまりなかった…誰がどこを通り抜けてもいい…という雰囲気がありました。予算をかけないで皆がゆとりを感じられるためには、土地を仕切ってしまわないほうが合理的なのです。
ところが千里の土地は1970年代までに高騰し、プライバシーやセキュリティのことを皆が気にするようになって、「なんとなく、皆の土地」という位置づけが成り立ちにくくなりました。
新しいマンションなどでも「敷地の中には入れない」設計のほうが安心だという認識が生まれて(それはすごく間違ってると僕は思うのですが…)、千里ニュータウンはそういう時期に団地建替を迎えることになったので、このままだとクローズドな街並みになってしまわないかと、そこが一番心配です。ニュータウンは団地は団地、戸建は戸建でもともと分けられているので、その単位で行き来が不自由になると露骨にブロック化してしまいやすいんじゃないか?
何度か書いていますが、ニュータウンは「町全体がひとつの庭」のように思えることが、普通の町にない大きな魅力なのではないでしょうか。その中を通り抜ける小道は、なんだかご近所の人に会っちゃう貴重な「縁側」だと思います。(千里ニュータウンの犯罪率が低いことは、こういうオープンな造りがおおいに関係があるのでは?)
※この写真を撮った8月8日の午後から、「ふれあいの道」の北半分は改修のため通れなくなりました。工事は8月の終わりまでかかり、そのあとまた通れますが、10月には建替の第2期工事が完成して第3期に入っていくので、本格的に通行止めとなって再オープンは再来年…2013年の春ごろになる予定です。
コメント
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コメント (6)
この文章に共感して居ます。空間の共有は見直す必要に迫られた時代だと私も思っています。私が管理者だと出しゃばる、威張る人が出ないことが必要ですね。
土地が高くなってしまいましたからね。今はこの道、右側は仮囲いが立って古い団地は撤去されマンション建設中ですが、左の森はそのままです。マンションの敷地になる部分もできるだけ「地域に開かれた空間」になるように工夫してくださっていると聞いています。
この文章を参照させて貰ってもかまいませんか?
http://senri-g1964.at.webry.info/201108/article_2.html#comment
このページにリンクを着けさせて貰いましたが、構いませんでしょうか?
物創り職人さん、リンクはどうぞご自由に。そのリンクが着いたページのURLを教えていただければ嬉しいです。
失礼しました。
下記アドレスです。
http://ameblo.jp/hiromitand/entry-11612633341.html
どの町にも「縁側空間」が生まれていくといいですね。