団地移転の風景-11.一棟だけの、ダブル凸型ハウス

高度成長期の団地というと同じ型の棟をいくつも並べた無機的なイメージがありますが、実は一棟一棟いろんなバリエーションがあります。地形や敷地の形など、現場の条件が異なるからです。
「このタイプの棟は、たった一棟しかないんです」と、昨秋団地ツアーをやったときに団地マニアの皆さんから教えていただいたのが、藤白台公社のA2棟。この棟は藤白橋の正面に見える棟で、長年見ててもそんな稀少性など考えたこともなかったですが、あーたしかにベランダ側から見たときにデコボコしているなと…
「これはダブルスターハウスの変型です」というのがマニア的解説。…それは何か?団地マニアに人気が高い「スターハウス」ですが、中にはそのスターハウスを2棟くっつけたような棟があり、それを「ダブルスターハウス」と言うんだそうです。この藤白台公社のA5~A8棟はスターハウスを凸型に整形したような「変型スターハウス」ですが、その凸型を2つくっつけて凸凸型になっているのが、A2棟。
一般的なスターハウスや、A5~A8棟の凸型棟では1フロアに3戸の住戸がありますが、このA2棟は×2=6戸の住戸が1フロアにあります。たぶん敷地の関係で、階段3列の板状棟を造るには東西幅が狭く、南北の奥行に多少ゆとりがあったために、こういう設計を1棟だけ採用したのではないでしょうか。
もう今は建替解体のため囲われていますが、記録のために最後の姿をここにとどめておきます。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る