「社会への信頼」で成り立つ町(フィンランド・タピオラ)

途中から吹き降りに遭いつつも、フィンランドのニュータウン「タピオラ」を1日歩いて堪能しました。感じたのは、この町は「社会への信頼」がないと成り立たないな、ということ。だって、塀も柵もないんです。歩いていくと、どんどんどこまでも入っていける。それが町をより広々と見せています。北海道と同じように除雪の便を考えているのかな?とも思いましたが、それだけでもなさそうです…。遊歩道がそのまま公園とつながっていて、その中に住宅が建っていて、学校の校庭もツーツーで空間を共有している…。日本の町のように(土地が高いからか)公有地と私有地を塀や柵で区切りまくって汲々としていることがいかに馬鹿馬鹿しいかと思えてきます。

まさに森の中に町があるような感じですが、実はかなり集合住宅比率が高く、戸建は戸数比率では千里よりかなり低そうです。テラスハウス形式の連棟もかなりありました。フィンランドは治安がいいことでも知られているようですが、格差社会という問題はないのか?どうやって治安を保っているのか?高税率を取って住宅は心配しなくていいですよという仕組みができているのか?タピオラでも住宅の上物は私有になっているようですが、これはかなり社会主義的な国なのか?ロシア(ソビエト)とかなり長い国境を接していて過去には対立関係にあった期間もあるようですが、このように自然が厳しい国では結局相互扶助的な考えでやらないと社会が成り立たないのか?考えさせられました。

フィンランドの歴史をざっと読むと、第二次大戦中にはソビエトとの対抗上ドイツと手を組んでいたこともあったようです。つまり「敗戦国」。しかし戦後の立ち上がりは早く1952年にオリンピックを開催しているし、ニュータウンの建設もそのころ始まっている。タピオラはヨーロッパ大陸で最初のニュータウンと言われています。日本の都市計画者が同じ敗戦国としてフィンランドを見たとき、強い衝撃を受けたのではないでしょうか。なぜフィンランドのニュータウンが日本のニュータウンに対して影響力を持ったのか?歴史のパズルを解いていくといろいろな想像が広がります。

きょう、気候は大阪の3月上旬ぐらいでしたが、雨に濡れて芽吹き始めた新緑が美しく、これもまた良しの1日でした。

この投稿は2015年5月7日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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