1からのつづき

一方、北千里駅前(北地区センター)に隣接していた吹田市立北千里小学校は(千里ニュータウンの当初計画にない、あとから急遽増設した学校だったため)校舎が古江台側、校庭が青山台側にあって、真ん中を幹線道路が貫いていて、児童は専用の歩道橋を使って校庭に渡る特殊な立地でしたが、児童数の減少から2009年に廃校され、以後(校舎の一部が臨時的に事務室として使われただけで)、9年もの間、活用されていません。ほぼ放置されていて、不審者の立入も近隣の人の不安の種になっています。

・北千里の駅前をどうやったら再活性化できるのか。
・大阪府が手を引いたら、どうなるのか。
・吹田市がやっている公民館や図書館を、どうするのか。
・コミセン(ホール含む)、その他の施設は、具体化するのか。
・隣接する北千里小学校跡地を、どうするのか。

…このようないくつかの「宿題」が膠着したまま、公民館・図書館の更新は、まず2011年から「北小校舎跡を改修して、そこに入れる」案が出されましたが、市長が代わって「北小跡は売る」方針に転換され、現在地で建て替える案に変更…→これも狭い現在の場所では高層化しても必要な床面積が入らないと反対が出て、スタック→そのあとまた市長が代わり…この間、駅前再開発も(北小跡を含まない形で)2016年に「ビジョン」は策定されたものの具体的に動かず、地元の3連合自治会では2016年末、「隣地の北千里小学校跡地も一体に考えて早く公共施設を整備してほしい」と要望書を出すに至りました。

それが今年も春が過ぎたあたりから吹田市は「北小跡に公民館・図書館・児童館の3施設を作る」ということを3連合自治会に言ってきました。ところがこの説明にはコミセンへの言及が一切なく、「コミセンはどうなった?」と聞いても「北小跡には用途地域の関係で不特定多数を対象にしたコミセンは建てられない」の一点張り。じゃあ駅前(北センター内)で作るのか?と聞いても、北センター内は土地の権利が複雑で吹田市の持ち分が少ないために「約束はできない」と「議論が宙に浮いた」形に…。それでも「公民館・図書館・児童館は北小跡に作る。自治会は急いでくれと言ったじゃないか。9月の議会で設計予算を提出する」と押し切ろうとしたために、地元3連合の意見が割れてしまいました。藤白台は「地元の意見が一致していない状態で予算を通すのはおかしい」と陳情を出し、古江台・青山台は「3施設だけでも先にやってくれ」と要望を出し、その他2つの要望書が出て、1つのテーマで5つの要望または陳情が出る事態になったのです。迷惑施設でないのにこれは異例の事態で、いかに議論が固まっていないかということです。(3につづく

この投稿は2018年9月25日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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